実力馬に有利な定量戦で、脚元に負担が少ない洋芝コース。秋のGI競走を狙う馬たちが、その始動戦として選択することが多い。
函館競馬場で行われた2013年開催を除いた過去10年で1番人気馬は1着2回2着5回3着2回と複勝率は90%。ただし、勝ち馬に限れば1〜3番人気5勝に対して4〜7番人気馬も5勝と互角の成績となっている。特徴的なのは、過去10年間の3着以内馬すべてが、前走で重賞競走を使っていた馬。条件上がりの馬には厳しいレースであることが、こうしたデータからも浮き彫りにされる。
昨年の
ヴィクトリアマイルでレコードタイムを記録した◎
ノームコアは、以降ワンターンコースを選んで使われているが、
紫苑Sに勝ち、
愛知杯2着、
フラワーC3着とコーナーを4回まわるコースを苦にしているわけではない。半妹に
クロノジェネシスがいる血統で、父
ハービンジャーの産駒には昨年の覇者
ブラストワンピースがいるほか、
ディアドラ(
クイーンS)、
ニシノデイジー(
札幌2歳S)などがいる。香港から帰国後はあまり前に行けなくなってきていることもあり、久しぶりの中距離戦は不安よりも楽しみの方が大きい。
6つめの重賞タイトルを狙う○
ラッキーライラックは昨年の
エリザベス女王杯、今春の
大阪杯、そして敗れたとはいえ春の
中山記念で先行力と立ち回りの上手さを示している。逆転候補の筆頭だ。
オルフェーヴルの産駒は、どちらかといえば広いコースよりも小回りコースを得意としており、17年の
札幌2歳Sでは産駒の
ロックディスタウンが
オルフェーヴル産駒として最初の重賞タイトルを手中にしている。
悩ましい3番手には▲
ブラックホールを指名。昨年の
札幌2歳Sの優勝馬で、コース適性は申し分ない。
弥生賞では勝ち馬とコンマ1秒差、7着のダービーでも勝った
コントレイルに次ぐ2位タイの上がりタイムを繰り出している。小柄な馬なので、少頭数になるのは歓迎だろう。
昨年コンマ3秒差5着に敬意を表して△
ペルシアンナイトと、洋芝巧者で昨年暮れから力をつけた△
トーセンスーリヤを抑えておきたい。