川崎競馬場で9月2日、第17回スパーキング
サマーC・SIIIが行われる。本来、8月26日の予定だった真夏の名物マイル競走。開催中止によって代替え日に1週間スライドして実施されることとなった。そのため再投票が行われ、新たなメンバーが加わるとともに、枠順も一新。南関東12頭のほか、他地区1頭の13頭によって争われる。昨年は4番人気の
トキノパイレーツが制し、2着は5番人気、3着には9番人気が入線。3連単で14万7820円と波乱に!
今年も波乱の展開になるのか―。 優勝馬には、
日本テレビ盃・交流GII(9月30日、船橋)への優先出走権が与えられる。
この1週間の差を、昨年の覇者・
トキノパイレーツ陣営は歓迎している。八木喜調教師は「前走は間隔が詰まった中での出走だった。それを考えると、1週間でも調整の時間を取れたのはいいね」とし、「条件はいい、状態も悪くない」と連覇を狙う。
しかし、川崎1600m戦は4コーナー奥からのスタートで、枠による有利不利が少なく番狂わせが起こりにくいコース。この点を考慮すれば、手堅く本命は
グレンツェントだろう。
中央所属時、
レパードS・GIIIなど重賞2勝。昨年10月に南関東に転入してからは案外なレースが続いていたが、ここにきてマイル路線に舵を切って完全復活。5月の
川崎マイラーズ・SIIIを制覇すると、
京成盃グランドマイラーズ・SIIIで3着。前走の
マイルグランプリSIIは2着とはいえ、道中団子状態の馬群を起用にさばいて直線抜け出す見どころ十分な走りを見せた。この中間は放牧に出ず、ここを目指して外厩できっちり調整されてきた。南関での2つ目のタイトル制覇なるか注目だ。
相手は復帰戦の前走で、0秒4差の4着と互角の勝負を展開した
トロヴァオ。昨年のこのレースは小差2着と、コース相性は抜群だ。手替わりも、先週1000勝ジョッキーとなったばかりで乗りに乗る町田直なら不安は皆無だ。番狂わせがあるとすれば、この馬か―。
さらに、9歳でも衰え知らずの
リッカルド、
トライアルの勝者・
ハルディネロ、近2走は2桁着順が続くとはいえ昨年の
東京ダービー・SIの覇者・
ヒカリオーソも怖い存在だ。
(文=スポーツ報知記者・志賀浩子)