「
東京記念・S1」(9日11R、大井)
ようやく吹っ切れた
リンゾウチャネルが、連勝で南関東入り後の重賞初Vを決める。
昨年のホッカイドウ競馬での三冠馬も、この春に南関東の仲間入りを果たすと、7、4、4、4着ともどかしい競馬を続けてきた。それが5戦目となった前走の中原オープンでは、久々に主導権を奪う競馬で活路をこじ開けた。
JRAでの重賞の常連だった
コスモカナディアンを寄せ付けず、2馬身差で待望の初勝利。「こっちの水に慣れてきたのもあるが、ようやく脚元の不安がなくなり、思い切って調教ができるようになったのが大きい」と矢野義師は目を細める。
当初は8月26日に行われるはずだったマイルのスパーキング
サマーC(川崎)に出馬投票までしたが、新型コ
ロナウイルスに関連してレースが取りやめとなり、さらに開催が1週延長されたことから早々に目標を切り替えた。今度はキャリア初となる2400メートルへのエントリーだが、「前走(2000メートル)のレースぶりから、問題ないと思う」とトレーナーは疑問を一蹴した。
肝心の状態も問題ない。「その分も乗り込めたし、引き続き具合はいい」とどこ吹く風だ。実績からも逃げにこだわることはない。おそらく内枠に入った
ホーリーブレイズが、前走同様に逃げる展開か。「行く馬を見ながら。目標があればレースもしやすいからね」とドッシリ構える。
2歳時の
鎌倉記念は6馬身差の2着。勝ったのは翌年の
羽田盃馬
ミューチャリー(
日本テレビ盃=30日・船橋=に出走予定)だった。それが今は同じ釜の飯を食う間柄。ゆくゆくは“2枚看板”として、厩舎を背負っていく存在になるのは必至な素質馬だ。現状では同期のラ
イバルに差を付けられたが、タイトル奪取で一歩近づく。(9)の単勝。(デイリースポーツ・村上英明)
提供:デイリースポーツ