「
セントウルS・G2」(13日、中京)
悲願のG1制覇に向け、最高の形で秋初戦をモノにした。1番人気の
ダノンスマッシュが好位から力強く抜け出して快勝。重賞6勝目を挙げた。
京成杯AHも制して東西重賞ジャックに成功した安田隆師は「最高の一日」と満面の笑みだ。なお、サ
マースプリントシリーズは
レッドアンシェルが、同ジョッキーズシリーズは福永が輝いた。
実りの秋へ、この上ない結果を出した。1番人気に推された
ダノンスマッシュが、14年ぶりの桶狭間決戦となった最重要
ステップを貫禄V。本番への優先出走権を手にした。
五分のスタートから道中は好位4番手追走。直線で軽く促すと反応良くエンジンが点火。猛然とラ
イバルを抜き去り、追いすがる他馬を寄せつけなかった。前走から引き続き手綱を取った三浦は「位置を取った瞬間、馬の気持ちで早め先頭の競馬をしようと思った。途中から思い描いた形のレースができました」と会心のVに笑みを浮かべた。
春には
安田記念に出走し、実績のないマイル戦に挑んだ。結果は8着と壁に跳ね返されたが、決して無駄な経験ではなかった。「学習能力が非常に高い。千四、千六を使ったことが、道中での馬のゆとりにつながっている」と敗戦を糧にしての美酒だったことを強調。「春を越えて馬が成長していました。いい前哨戦でした」。鞍上にとっては今年初めての重賞タイトル。きっちり仕事をこなした充実感が表情に漂う。
父
ロードカナロアが取りこぼしたタイトルを見事に奪取。安田隆師にとっても喜びはひとしおだろう。「次はもちろん
スプリンターズS(10月4日・中山)へ行きます」と力強く宣言した。
これで重賞は6勝目となったが、なぜかここまでG1タイトルとは無縁。もう“前哨戦ハンター”は卒業したい。さらなる歓喜の時を胸に秘め、成長止まらぬ快速馬が上昇気流に乗って躍動する。
提供:デイリースポーツ