「
セントライト記念・G2」(21日、中山)
成長を見せる
ダノンファストが、再び芝の舞台に戻って同世代のラ
イバルを相手に力試しだ。デビューからダートを含めて7戦、まだ馬券圏内を外したことのない堅実派。相手強化は承知の上、芝の中距離路線を含め、今後の進路を選択する重要な戦いとなる。
ダートで実績を重ねてきた
ダノンファストが、
菊花賞の
トライアルにエントリーした。デビュー戦、2戦目と芝で3・3着。好メンバーを相手に差のない競馬だった。父は04年NHKマイルC&ダービー覇者の
キングカメハメハ、母も11年
フェアリーSを制した
ダンスファンタジア。血統背景から芝路線を歩みそうだが、3戦目以降はダート路線へ転向した。
「緩さがあって、さばきも硬かったから無難にダートを使ってきた」と菊沢師。その後は1・2・1・2・1着とオール連対の活躍を続け、「それが思いの外、走ったからビックリだよ」と目を丸くする。
前々走の青竜Sでは、次戦のユニコーンSで2着の
デュードヴァンに首差2着。「まだヨチヨチした走りで、どうかなあと思ってたから、2着でも、という感じだったね」と振り返った。
19年12月の未勝利戦以来の芝は強敵がそろった。トレーナーは「春に比べて馬体がひと回り大きくなって、だいぶしっかりしてきたからね」と参戦の理由を明かし、「折り合いも問題ないし、右回りの方が手前や
バランスの関係から走りが全然違う」と舞台設定にも好印象を抱く。
現時点で本番への参戦予定はないが、今後を占う意味でも重要とみている。「もう少し
パワーをつけないと。権利を獲ったら?芝2000メートルあたりの重賞で楽しみが出てくるんじゃないかな」と笑う。デビュー以来、手綱を取る義兄・横山典の手綱で、クラシック最終戦を目指すラ
イバルたちにひと泡吹かせ、自身の可能性を広げる。
提供:デイリースポーツ