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凱旋門賞・仏G1」(4日、パリロンシャン)
A・オブライエン厩舎の4頭が禁止薬物検出により出走取消となり、11頭で争われた一戦。昨年の3着馬
ソットサスが、不良馬場を苦にせず直線で抜け出し、見事に栄冠を勝ち取った。史上初のV3を狙った
エネイブルは直線で伸びあぐねて6着、日本馬
ディアドラは8着に終わった。
2日の荒天により、馬場状態を示す数値は4・6(LOURD=不良)。そんなタフな馬場をモノともせず、大金星を挙げたのは5番人気の地元馬
ソットサスだった。直線で力強く伸びて至高のタイトルを手にし、昨年3着の雪辱を果たした。
有力馬ラブが1日に回避し、直前にはA・オブライエン厩舎の4頭が出走取消。“1強”となった
エネイブルへの追い風が勢いを増すなか、昨年の仏ダービー馬が泥んこ馬場で真価を発揮した。道中は3番手のイン。最後は各馬横に広がるたたき合いの中から、やや外めに進路を取って抜け出すと、内から伸びてきた
インスウープを首差退けた。ルジェ師は「いい枠を引けたし、素晴らしい走り。完璧だった」と人馬を称賛した。
手綱を取ったC・デムーロは
凱旋門賞初制覇。当初は
エネイブル=デットーリをマークする作戦だったが、自分たちが前にいると分かり、自信が高まったという。「序盤で勝ったと思った。
エネイブルがリードしていなかったし、自分たちのペースもそれほど速くないと気づいたので、直線で負かせると確信した。
凱旋門賞を勝てるなんて信じられない」。日本でもおなじみの若き名手が頂点へ-。今年9月、68歳で亡くなった父
ジョバンニさんにささげる美酒となったに違いない。
提供:デイリースポーツ