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【菊花賞】前田代表インタビュー コントレイルで「再び夢と希望を」

デイリースポーツ
  • 2020年10月21日(水) 16時24分
 「菊花賞・G1」(25日、京都)

 史上3頭目となる無敗のクラシック三冠制覇を狙うコントレイル。その生産者である(株)ノースヒルズの代表・前田幸治氏が、デイリースポーツのインタビューに応じた。ダービー馬のキズナワンアンドオンリーなど、数々のG1馬を送り出してきた日本屈指のオーナーブリーダーが、どんな心境で決戦の日を迎えるのか。そして未来の展望は-。

 ◇  ◇

 -無敗でコントレイルがダービーを制覇。ノースヒルズとしてはキズナワンアンドオンリーに続く3度目の栄冠を手にした。

 「コロナ禍で先行きの不安など世の中が重苦しくなっている時に、われわれやファンの方々に、夢と希望を与えてくれる走りだったのではないでしょうか。私たちノースヒルズも大変勇気づけられました」

 -秋の始動戦・神戸新聞杯を快勝。

 「馬込みでの競馬でしたが、全く動じていませんでした。ビッグハートですよね。コントレイルは競馬をするたびに、レース巧者になってきていると思います。福永騎手も馬を信頼して騎乗してくださっていました」

 -コントレイルとの初めての出会いは。

 「生まれて3週間くらいしてからだったと思います。その時は正直、こんなに走る馬になるとは思っていませんでした。馬は本当に分からないものです」

 -この馬の長所は。

 「オンとオフがはっきりとしているところだと思います。無駄なことは一切しませんし、乗り手の指示を理解する聡明さも持っています。大山ヒルズの馬房では、ゆっくりカイバを食べては休んで、また食べては寝て、とマイペースに過ごしています。休息の取り方も、他の馬より上手なのかもしれません」

 -今回、84年シンボリルドルフ、05年ディープインパクトに続く、史上3頭目となる無敗三冠に挑む。

 「まずは無事にゲートインして、そして無事にゴールまで帰って来てほしいというのが一番の願いです。重圧は感じていません。私が走るわけではないですし、周囲の人間が気負っていい事は何もありませんからね。コントレイルは自在性があって、操縦性も高く、どんなレースでも対応できますから、距離の心配もしていません」

 (続けて)

 「ノースヒルズは菊花賞を一度も獲っていません。皐月賞、ダービー、牝馬三冠は勝っていますが、菊花賞クリンチャーの2着(17年)が最高です。のちにコロナ禍に誕生した無敗の三冠馬として、ファンの皆さまの記憶に残ってくれればいいですね。再び夢と希望を届けられればと思っています」

 -馬主は弟である晋二氏。

 「弟だけでなく、私の妻も長男も馬主ですが、誰の所有馬であっても喜びは同じです。コントレイルは生産馬でもありますし、コントレイルが偉業を達成してくれたなら、チーム・ノースヒルズにとって最高の誉れだと思います」

 -福永騎手の印象は。

 「頭がシャープで、スマートだと思います。ここ2、3年は特に感じるんですが、レースをよく読んでいますよね。仮に失敗をしても、必ず次以降のレースに生かしています。ジョッキーとして円熟味が増していると感じますね」

 -管理する矢作師も頼もしい。

 「とても熱心で行動的な方だと思います。育成所に行っているかと思えば、明くる日は北海道の牧場へ出掛け子馬たちを見ていますし、海外もレースだけでなくセリにも積極的に参加しておられる。物事をきちんと組み立てて実行される聡明さを兼ね備えながら、勝機ありと思えば大胆なチャレンジもされる、勇気ある調教師だとお見受けしています」

 (続けて)

 「福永騎手、矢作調教師ともにプロです。相談はしますが、こちらから指示をすることはありません。私がレース前にかける言葉は『グッドレースを』。これには馬の能力を発揮して悔いのないレースを、そして人馬ともにケガなく無事にという気持ちを込めています。今回もそんなレースを、と思っています」

 -今後の夢は。

 「無事ならば、この後はジャパンC(11月29日・東京)が選択肢にあります。コロナ禍でもありますし、海外は現時点では考えていません。ディープインパクトの最高傑作と称していただくことがありますが、まだまだその域には達していません。この先、一つ一つタイトルを手にして、偉大なる父に一歩ずつ近づいていきたいですね。われわれのモットーは「チャレンジング・スピリット」。この精神で、これからもより一層の向上心をもって、挑戦を続けていきたいと思います」

提供:デイリースポーツ

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