その記念すべき開催を優勝したのは、アイルランドのA.オブライエン厩舎から移籍した
サードラゴネット。
10月24日、
オーストラリアの
ムーニーバレー競馬場では総賞金500万豪ドルのG1・
コックスプレート(芝・2040m)が行われた。
昨年
リスグラシューが見事に日本馬として初めての勝利を飾った伝統のレース、今年は記念すべき第100回開催を迎えた。
その記念すべき開催を優勝したのは、グレン・ボス騎手騎乗の
サードラゴネット。スタートは若干立ち遅れたが、ボス騎手は焦らずに中団後ろで折り合った。
四角から馬群を縫うように順位を上げると、直線では圧倒的な脚を見せて最後は2着馬を1.25馬身差に離す完勝だった。
同馬は前走までアイルランドのA.オブライエン厩舎に所属。デビュー2連勝で迎えた昨年のダービー(英G1)で1番人気に支持されたが、同レースは5着。以降も勝ち星から遠ざかっていたが、豪州への移籍初戦で待望のG1初制覇となった。
2着はA.オブライエン厩舎のアーモリー。3着には1番人気に支持されていたロシアン
キャメロットが入り、4着の
ムガトゥーまで、アイルランド生産馬が上位を独占する結果となった。
2番人気に支持されていたアルカ
ディアクイーンは終始スムーズさを欠き5着。
ディープインパクト産駒の
フィアースインパクトは後方から伸びるも6着だった。
サードラゴネット鞍上のボス騎手は「信じられません、
コックスプレートは自分にとっても本当に特別なレースです。これ以上ないくらいの完璧なレース運びが出来ました。この馬に関わったすべての関係者に感謝します。そして誰よりも家でこのレースを見ている、私の愛する家族に感謝したいです」と
コックスプレート4勝目となる同騎手をしても興奮を抑えられない様子だった。
同レースを初めて制覇したC.マー調教師は「
コックスプレートを勝てたとは今でも信じられません…子供の頃から憧れていたレースだったので…まだこの馬を管理して2週間ほどですが、これほどの馬を預けてくれたオーナーに本当に感謝したいです」とコメント。
こちらも、インタビューでは存在しない姉妹への感謝をするほど興奮を抑えられなかった。
(取材:川上鉱介)