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【勝負の分かれ目 菊花賞】勝ち切る強さを見せたコントレイルが偉業達成

  • 2020年10月25日(日) 18時00分
 日本の競馬界に、また新たな栄光の歴史が刻まれた。先週、デアリングタクトが史上初となる無敗の牝馬三冠制覇を達成したのにつづき、コントレイルが第81回菊花賞を制し、史上3頭目となる無敗のクラシック三冠制覇を達成。コロナ禍に苦しめられた今年は、史上初の牝牡による無敗の三冠制覇が達成されるという、競馬史に残るシーズンとなった。

「思っていた以上に接戦になりました」

 コントレイルに騎乗した福永祐一がそう振り返ったように、最後の直線で2着のアリストテレスとびっしり叩き合い、首差しのぎ切っての勝利であった。

 コントレイルは、道中、クリストフ・ルメールが騎乗するアリストテレスに、外から密着マークを受ける形になった。

「スタートはある程度よかったのですが、そのあと、折り合い面で上手くリラックスさせることができませんでした。ずっと2着馬に斜め後ろからプレッシャーをかけられ、それもあって、馬がずいぶんエキサイトしていました」と福永。

 みなが内をあけて走っていたなか、少しでも外に出したかったところだろうが、外をアリストテレスに塞がれていた。

 3、4コーナーで進出し、直線に向いても、すぐ外にはアリストテレスがいた。福永はこう言う。

「相手も手応えがよく、ずっと並走する形になっていたのでマズいなと思いましたが、馬を信じて、自分の気持ちだけはブレないように、強い気持ちを持って追っていました」

 マークというのは、される側よりする側に大きなアドバンテージがある。直線で、アリストテレスにかわされそうに見えた局面もあったが、最後まで抜かせずに走り切った。

「3000メートルは彼にとっては長い距離でしたし、今日もベストパフォーマンスを発揮できたわけではないのですが、それでも勝ち切ってくれたということが、本当に素晴らしいと思います。これから古馬相手の戦いとなっていきますけど、日本で一番強い馬という称号を勝ち得るために、一緒に頑張っていきたいと思います」と福永。

 ゴールするまでハラハラさせられたが、コントレイルが「勝ち切る強さ」を見せ、史上初の父仔無敗三冠制覇をなし遂げた。

(文:島田明宏)

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