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【天皇賞・秋予想】 アーモンドアイ、史上初の8冠の可能性は!? 記者たちが前走の敗因と近年の傾向から勝ち馬を分析!/JRAレース展望

  • 2020年10月26日(月) 20時33分
 今週末の11月1日(日)、東京競馬場2000mを舞台に行われる天皇賞・秋天皇賞・秋連覇を目指すアーモンドアイを筆頭に、春秋制覇を目論むフィエールマン宝塚記念の覇者クロノジェネシスなど、一線級のメンバーが勢ぞろいした。

 そんな今年の一戦を、現場の記者たちはどのように見ているのか? 福島民報・高橋利明、東京スポーツ・山河浩、スポーツニッポン・高木翔平という3人の記者に、今年の天皇賞・秋について語ってもらった。

 今年の見どころは、やはりアーモンドアイが史上初のGI8勝目を達成するか、という点だろう。そのアーモンドアイは前走の安田記念で、グランアレグリアの後塵を拝してまさかの2着。今年の秋天を語るうえで、まず前走の敗因分析は欠かせないが、安田記念で◎を打たなかった高木記者はこう評する。

安田記念アーモンドアイは、状態があまり良くなかったという話もあった。それで◎は外したが、それでも2着に来るのは能力の高さの証明だと思う。秋初戦を万全で出走してくれば、もちろん中心的存在。レベルとしては、そこまで高くないのでは。ビッグネームは多くいるが、ここが最適条件とはいいづらい馬が多いイメージ。サートゥルナーリアの回避、アエロリットの引退は大きい」

 高木記者と同じように、前走の2着を高く買っているのが山河記者だ。

「前年3着の結果も合わせて『マイルは合わないのでは?』という見方もあろう。しかし、2年連続でスタートがひと息ながら複勝圏を確保。今年はインディチャンプに先着、かつ負けた相手はグランアレグリアならば評価を下げる必要はない。気になる点は昨年以降、短いレース間隔の際に結果がひと息な点。牧場サイドの意図もあろうが、復帰戦から100%の仕上げで臨んだぶんの反動が“出負け”という形で露見している面もあろう。

 今年のメンバーレベルはアーモンドアイが多少、出負けしてもどうにかなるのでは? というレベル。とくに気になる点が、“3歳馬の不在”だ。勝利は02年シンボリクリスエス以来、途絶えていてもアドマイヤムーンペルーサフェノーメノイスラボニータサートゥルナーリアと例年のように有力馬が参戦。サリオスが同馬主であることにより、興味が削がれた面は否めない」

 一方で、舞台適性の差が明暗を分けたと話してくれたのは高橋記者。

安田記念は、終わってみればグランアレグリアの土俵だったということ。スプリンターズSの勝ちっぷりを見れば、スピード負けも仕方なかったということだろう。スタートで後手を踏んで流れに乗れず、道中のリズムも良くなかった。初めてレース間隔を詰めたことも影響していたのではないか。そもそも、東京マイルは合わないということだろう。今年の天皇賞・秋は昨年と同レベルかそれ以上。クロノジェネシスフィエールマンの存在が大きい」

 天皇賞・秋は過去1番人気が12連敗していた時期があり、ナリタブライアントウカイテイオーオグリキャップといった錚々たるメンバーが敗れ去った舞台であるが、近年は昨年のアーモンドアイを筆頭にキタサンブラックモーリスなど、実力馬がしっかり力を出し切って勝利する舞台に変貌を遂げている。そうした近年の傾向について、山河記者は

メジロマックイーンの降着も含めて90-95年は1番人気が5連敗。ただし、次走のジャパンCも惨敗した組も多く、コンディションに問題があった面も。前哨戦の始動から天皇賞→ジャパンC→有馬の連戦は現代競馬の消耗度からは無理筋となってきた。近年は“大手”の使い分けにより、無駄撃ちなく狙ったレースで全力発揮させる傾向に。

 強力なライバルとなり得る存在が“ジャパンC直行”なり海外遠征を選択すれば、必然的に好走確率は上がる仕組みだ。加えて、16年15頭立て(1着モーリス1番人気)、18年12頭立て(1着レイデオロ2番人気)とフルゲートを割ることも。元来、接触が起きやすいスタート位置であっても、頭数減でそのリスクが軽減されれば人気通りの決着ともなりやすい」

 と、近代競馬における消耗度から“狙ったレースを勝ちに行く”傾向が強まった一方で、レース選択の幅が広がったことで、国内戦に捉われる陣営が少なくなったことで少頭数になりがちな点も要因として挙げている。

 この意見には、ほかの2人の記者も同様で、とくに高橋記者はレース適性の面から

「ローテーションや馬場状態の変化が大きい。以前ならステップオールカマー毎日王冠京都大賞典を選んで参戦してきたが、明らかに天皇賞・秋には直結しない条件だった。有無を言わさぬ強さで勝ち抜くという時代ではなく、秋の消耗度を考慮しながら狙ったところだけ使うというローテーションになり、天皇賞・秋に適性のある有力馬が参戦し、人気になって結果も出している。この時期の東京は高速馬場で上がりも速い。そういう馬場に向く馬がキッチリ勝っている。ハイペースで飛ばす逃げ馬もいない。スローで一団で流れて、最後は切れ味勝負。これならアーモンドアイが勝つのも当然だと思う」

 と指摘。高木記者はレース選択が国内外問わず、多岐にわたるようになってきた変化に着目し、

「香港やオーストラリア凱旋門賞など外国へ選択肢が増えたことにより、有力馬がちらばっている印象。昔はトップ級の馬がズラリと顔をそろえたが、そういう頂上決戦的な意味合いは薄れている。これは大手牧場の使い分けによるところも大きいのでは」

 と分析している。実際、今年も一昨年以来となる12頭立てが濃厚。記者たちが論じるように、“強い馬が勝つべくして勝つ”レースとなるのか。

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