東京競馬場の芝2000mを舞台に古馬最高の栄誉をかけて争われるレースであると同時に、
ジャパンC、あるいは
マイルCS、そして暮れの
有馬記念へと続く古馬の中・長距離GIレースの幕開け戦でもある。今年はやや時計がかかる馬場状態とはいえ、究極のスピード勝負になる可能性は高く、距離適性を重視したいレースでもある。
連覇を狙う◎
アーモンドアイは、昨年同様に
安田記念から前哨戦を使わずにこのレースへと狙いを定めてきた。レースに行けば全力を発揮するタイプだけに休み明けに不安はない。これまでも大事に、そしてしっかりと間隔を空けて使われてくることが多く、休み明けは6戦6勝。昨年は、ほとんど追うところなくレコードタイムとコンマ1秒差だった。これまでの競走キャリアで4着以下に敗れたのは
有馬記念のみという名馬だけに、この距離なら負けられない。
○
ダノンキングリーは
ダノンレジェンドの半弟。父がマッチョウノから
ディープインパクトに変わったことでストームキャットの肌に
ディープインパクトという成功パターンを踏襲することにもなった。
皐月賞3着、ダービー2着と堅実な馬だったが、昨秋の
マイルCSと今春の
安田記念は案外だった。マイルの流れはラップではなく、微妙に忙しいのかもしれないが、3歳で挑戦した
毎日王冠(1800m)で
アエロリットらを相手に強い競馬をした。この距離なら現役最強牝馬を相手にしてもわずかに逆転の目もあるかもしれないと思っている。
▲
ダノンプレミアムは昨年の2着馬だ。大きく崩れたのは順調さを欠いたダービーと大きな不利があった19年の
安田記念と、海外遠征帰り初戦だった20年の
安田記念のみ。対
アーモンドアイは3戦3敗だが、それだけで必要以上に評価を下げる必要はない。連下候補という意味では有力な1頭だ。
先行力を兼備している△
クロノジェネシスも大きな差はない。3歳時は牝馬限定戦のみに出走し、
秋華賞に勝ったものの
桜花賞3着、
オークス3着。4歳になった今年は
京都記念で同世代の
オークス2着、
ジャパンC2着の
カレンブーケドールを一蹴し、
宝塚記念ではレース史上最大着差で圧勝した。今回と同じ距離の
大阪杯では
ダノンキングリーに先着しており印ほど差はないことを付記しておきたい。