もしかしたら現ダート界最強馬はこの馬では?と私がにらんでいる馬が8日のGIII
みやこS(阪神ダート1800メートル)に出走してくる。
ベストタッチダウンだ。
とにかく勝ちっぷりが素晴らしい。2走前のGIII
アンタレスSはスタート直後にトモを捻るアク
シデントがあり14着に大敗したが、ダートで勝った4戦は全て後続に影も踏ませない逃げ切り勝ち。前走の
太秦SではGIII
マーチS2着馬
クリンチャーに0秒4もの差をつけている。
ただし、順風満帆にここまで上り詰めたわけではない。デビュー当初は芝路線での活躍を期待されていたのだが…。
「線の細い馬だったし、調教で芝に入れた時の動きも良かったから芝に使ってみたんですけどね。勝ち上がりはしたし、全くダメというわけではなかったけど、その後が頭打ち気味ではあったので…」と当時を振り返る橋口調教師。実際、1勝クラスに入ってからは6、8、8着と苦戦が続いた。
ここでのトレーナーの判断は“機を見るに敏”だった。兄2頭がダート路線で活躍したこともあって、活躍の糸口を「砂」に求めた。これが大きな転機となった。
「想像以上にダート適性が高かったということもありましたが、転向後にひと夏挟んで一気に成長して。見た感じでも明らかに体つきが変わりましたからね」。馬自身の成長期と砂適性が見事に合致→トレーナーも驚くほどの変貌を遂げた。もしかしたら、この時期を逃していれば、心身がかみ合わずここまでの成績を残せていなかったかも?そう思うと改めて3歳6月にダート転向を決断したトレーナーの慧眼には頭が下がる。実際、芝で勝ち上がったころと現在の同馬を見比べると馬体の違いは歴然だ。
「今年の夏の成長度もすごくて、3歳春とは全く別の馬になっていますね。これまで結果的に逃げて勝ってますからモマれた時にどうか、ということはありますけど、問題はないんじゃないかと。ただ、逃げが最善手なのは間違いないし、今回は
武豊ジョッキーですから」
名手・
武豊を鞍上に配したあたりにも、重賞初戴冠に向けて準備は万端だと言えるだろう。私が唱える「
ベストタッチダウン最強説」をぜひ週末の阪神競馬場で証明してほしいものだ。
(元広告営業マン野郎・鈴木邦宏)
東京スポーツ