「
アルゼンチン共和国杯・G2」(8日、東京)
3番人気に支持された唯一の3歳馬
オーソリティが、直線で堂々と抜け出して古馬を一蹴。骨折で棒に振った春の無念を晴らす快勝劇で、
青葉賞に続く重賞連勝を決めた。手綱を取ったルメールは、この勝利でJRA通算1300勝に王手をかけた。2着は6番人気の
ラストドラフト、3着には9番人気の
サンアップルトンが続き、1番人気の
ユーキャンスマイルは直線で伸びを欠いて4着に終わった。
歴戦の古馬を相手に、唯一の3歳馬
オーソリティが春の無念を晴らす快勝劇を見せた。
大外枠からスタートを決めると、すかさず3番手へ。ルメールのそつないリードに従い、向正面では落ち着いてレースの流れに乗った。迎えた勝負の直線。残り1F手前で入った2発の右ムチを合図に、一気にスパート。「この馬は長くいい脚を使う。坂を上がってからトップスピードになって、最後まで止まらなかった」と、重賞2勝目のゴールを先頭で駆け抜けた。
「休み明けでコンディションが不安だったけど、木村厩舎のスタッフがいい仕事をしてくれました」。これがJRA通算1299勝目。先週の
天皇賞・秋(
アーモンドアイ)、前日の京王杯2歳S(
モントライゼ)に続き、騎乗機会重賞3連勝を決めたルメールは「おおきに」と関西弁で喜びを表現した。
春は
青葉賞を快勝した直後に、左第1指骨剥離骨折が判明。ダービーの舞台に立つことはできなかった。半年の休養を経て、ここから再始動。木村師は「骨折箇所についての不安はなかった。春は残念だったけど、休養中に(弱かった)爪を伸ばすことができたし、結果論ですが、そこは良かったと思う」と無念の離脱も前向きに捉えていた。
重賞連勝で次に見据えるのはG1の舞台。具体的なレース名こそ挙げなかったが「そういう気持ちはあります」と指揮官。コンディションだけなら「
青葉賞時の方が良かった」というのだから、次はさらなる飛躍が期待できる。まだまだ伸びしろたっぷりの3歳馬が、復活ののろしを上げた。
提供:デイリースポーツ