休み明け【1・0・0・5】の
ウインブライトのイメージが強いせいだろうか。冠名ウインの馬は「叩き2戦目を狙え」たる“馬券術”が競馬サークルでまことしやかにささやかれている。今秋も
皐月賞4着馬
ウインカーネリアンが、復帰戦の札幌(1番人気)5着後に中山・
茨城新聞杯を快勝(3番人気)。ニュージーランドT・3着
ウイングレイテストも、休み明けの
秋風S(1番人気)10着後の
キタサンブラックM(3番人気)で2着。確かに叩き良化&激変シーンが目につくのだ。
その意味で今週ひそかに注目するのが、GI
エリザベス女王杯(日曜=15日、阪神芝内2200メートル)を叩き2戦目で迎える
ウインマリリンだ。5番人気で挑んだ前走・
秋華賞は2番手から直線大失速の15着大敗。
「装鞍所で鞍をつけた瞬間から急に
テンションが上がってしまったんです。休み明けに加えて初の輸送競馬。そのあたりも影響して力を出し切れなかった」とは担当の藤井省二助手の弁だが、過去に前走2桁着順馬の女王杯Vは皆無(最大のリベンジVは2009年
クィーンスプマンテ=
京都大賞典9着からの反撃)。残念ながら歴史は再度の苦戦を告げている。
だが、しかし。管理する
手塚貴久調教師の声を聞くと、ここも何やら“ウインの法則”が発動しそうな気がしてくるから不思議である。
「確かにイレ込みがきつかったし、前走はレース運びも積極的すぎた。何より当時の京都は内めが伸びず、外差し顕著な馬場傾向。結果的にすべてがかみ合わなかったね。ただ、この馬は明らかに1回使ったほうがいいタイプ。叩いてガスが抜けた感じだし、輸送も2度目になる今回はイレ込み対策として金曜移動でスクーリングを行う予定。距離延長は歓迎材料で、騎手も馬混みで脚をタメたほうがいいのが前走で分かったと思うので」
もとをたどれば、ぶっつけの
秋華賞出走も
エリザベス女王杯を視野においての逆算ローテ。指揮官の言葉を借りれば、前走凡走はリベンジへの布石だったことになる。
冬毛が生えた馬体は見栄えがしなくとも「昨年のいま時期も冬毛は伸びていたんです。ただ、毛を刈っていたから目立たなかっただけ。体調に不安はありませんよ」と前出の藤井助手。
アーモンドアイ世代たる5歳勢は強力だが…。激変する「ウインの2戦目」に注目して損はなさそうだ。
(美浦の叩き劣化野郎・山村隆司)
東京スポーツ