今年の場合は最強牝馬決定戦とは呼びにくいが、それでも3頭のGI勝ち馬に対して
オークスの2〜4着馬が挑戦状を叩きつけるという図式となった。今年は京都競馬場改修工事のために阪神競馬場で行われることになったが、このコースは
宝塚記念でも使用されるコースだ。京都競馬場で行われた過去10年で、1〜3番人気馬は6勝2着5回3着5回だが、1番人気馬は1勝2着3回3着3回と苦戦傾向にある。
◎
ノームコアは
宝塚記念優勝で、
大阪杯2着、
天皇賞・秋3着
クロノジェネシスの半姉。自身も
ヴィクトリアマイルをコースレコードで制している。連覇を狙った今春の
ヴィクトリアマイルは
アーモンドアイの軍門に下ったが、それでも3着を確保し、
安田記念でも4着。マイル適性の高さを示している。そんな
ノームコアの新しい一面を感じさせたのが
札幌記念だ。3歳秋には
紫苑Sにも勝っており、
ハービンジャーの産駒だと思えば距離をこなしたことは不思議なことではないが、改めて新しい可能性を示した1戦でもあった。
エリザベス女王杯は自身も5着に敗れ、
クロノジェネシスが唯一馬券圏内から外れた相性の悪いレースではあるが、妹がGI競走を勝った阪神コースでの戴冠を期待したい。
史上4頭目となる
エリザベス女王杯連覇を狙う○
ラッキーライラックが強敵だ。2017年の2歳女王で将来を嘱望される存在で、
桜花賞では
アーモンドアイを抑えて1番人気に支持された。その1戦以降、勝ちきれないレースを続けたが、昨年のこのレースを勝ったのちは
香港ヴァーズ2着。そして
大阪杯優勝とかつての勢いを取り戻しつつある。新しくコンビを組む
ルメール騎手の手綱さばきにも注目したい。
新馬、そして
アルテミスSを連勝したときの▲
リアアメリアは底知れない強さと早さを感じさせたが、その後は強さと脆さを同居させるような成績を続けている。母は繰上りとはいえ、米国BCジュヴェ
ナイルフィリーズの優勝馬でカナダ2歳牝馬チャンピオン。前走はスタートのミスを取り戻すために、早めに脚を使ったことが災いしたのか早々に脱落してしまったが、
ローズSのレース内容からは単なる早熟馬とも思えない。
オークス2着△
ウインマリリンの前走は久しぶりの実戦ということに加えて、外枠からの競馬も厳しかった。改めて見直したい。新潟牝馬Sを圧勝してきた△
ウラヌスチャームと、同距離の
オールカマーを勝って挑む△
センテリュオも十分に圏内で、昨年3着馬△
ラヴズオンリーユーの底力も無視はできない。