クリストフ・ルメールが騎乗する
ラッキーライラックが、強い馬にはこう乗るんだというお手本のようなレースで、史上4頭目となる
エリザベス女王杯連覇を果たした。
「18番枠からのスタートはけっこうキツいと思いました。それでも、馬が冷静に走り、いいレースをしてくれました」
そう話したルメールは、速いスタートを切った
ラッキーライラックの手綱をやや抑え気味にしながら、内へと誘導した。そのまま中団から後方で折り合い、脚を溜める。
ハナを切ったのは
横山典弘の
ノームコアだった。単騎先頭で馬群を引っ張り、向正面へ入って行く。
馬群は15馬身以上の縦長になり、1000m通過は59秒3。
3コーナーで
ウラヌスチャームが外からマクり気味に上がって行くと、
ラッキーライラックもそれを追いかけるように進出する。
「外の馬がポジションを上げたので、ぼくの馬もインプルーブした(いいところに上がって行った)」とルメール。
ラッキーライラックは抜群の手応えで3、4コーナーを回り、直線入口で逃げる
ノームコアに並びかけた。そして、内から4、5頭目のところを力強く伸び、先頭に躍り出た。
「早めに先頭に立ったけど、彼女は強いから、止まらなかった」
そう振り返ったルメールの左ステッキに応えた
ラッキーライラックが、2着
サラキアの追い込みを首差抑え、先頭でゴールを駆け抜けた。
「スムーズなレースができました。よく頑張ってくれました」とルメール。
テン乗りながら、脚を溜め切れずに敗れるレースがつづいていた
ラッキーライラックのよさを、見事に引き出した。
北村友一が手綱を取った
サラキアは、
ラッキーライラックをマークしながら進み、仕掛けのタイミングをギリギリまで遅らせ、上がり3ハロン最速の末脚で追い詰めたが、及ばなかった。
ミルコ・デムーロの
ラヴズオンリーユーも
ラッキーライラックを見ながらのレースとなったが、4コーナーでスッと動けなかったぶん届かなかった。が、よかったころの走りを取り戻しつつあることは間違いない。
(文:島田明宏)