「マイルCS・G1」(22日、阪神)
好位を進んだ
グランアレグリアが、直線でやや前に詰まりながらも、外へ持ち出されると素晴らしい伸びで抜け出し、圧倒的1番人気に応えた。G1・3連勝で同一年春秋マイルG1制覇、G1通算4勝目を挙げた。
静寂を切り裂くように稲妻が走った。ゴールまで残り約150メートル。スペースを見つけられないでいた
グランアレグリアの視界が、ようやく開けた。女王の真骨頂はそこから。まるで心を燃やすかのようなラストスパート。繰り出す刃に、ラ
イバルたちは、あらがえない。まさに一刀両断。先に抜け出していた
インディチャンプをパスすると、炎となってゴールを貫き、G1・3連勝で同一年春秋マイルG1を完全制圧した。
クルージングに入ったパートナーのたてがみをルメールは左手で優しくなでた。自身もこの秋早くもG1・4勝目、年間で7勝目をマーク。「スペースがあまりなかったのは、私のせいです。もう少し早めに外に出せていれば、完全なレースができたと思います。ラスト150メートルでギアをアップできましたが、このレベルでは、とても珍しいこと。彼女のおかげで勝つことができました」と感謝の気持ちを伝えた。
スタートを決め、5番手に導いたのは、2枠4番という枠順を意識したレースメークだった。すぐに落ち着き、冷静に自らのリズムで流れに乗ることができた、という。「2歳、3歳のころは
テンションが高く、速く走りたがっていましたが、大人になってとても乗りやすくなり、
パワーを全部使えるようになったんです」。さらに成長を感じた、と振り返った主戦は「すごい瞬発力。めちゃくちゃ強いですし、素晴らしい馬です」とその強さを改めてたたえた。
東京競馬場で圧巻の走りを見届けた藤沢和師は「マイルを上手に走ってくれるようになったので、もう少し距離を延ばしていければ」と異なるカテゴリーへの挑戦も示唆。ルメールも「能力がとても高く、今回も乗りやすかったので、距離を延ばしてもいけると思います」と新たな可能性に言及した。確定していたローテーションは、ここまでだったため、今月中にも今後のスケジュールが検討されるもよう。活躍の場を広げるであろう2021年。どの進路を選択しても、きっと輝き続けてくれるに違いない。
提供:デイリースポーツ