「
ジャパンC・G1」(29日、東京)
やはり最強女王
アーモンドアイは強かった。それでも、無敗の三冠馬2頭も意地を見せた。
コントレイルは中団から最速上がりで追い込み2着。デビューからの連勝は7で止まったものの、改めて能力の高さを示した。また
デアリングタクトは、最後の直線で苦しくなりながらも3着を確保。この2頭が
アーモンドアイからバトンを引き継ぎ、これからの日本競馬をけん引していく。
意地の銀メダルだった。
コントレイルはメンバー最速の上がり3F34秒3で最強女王を追ったが、1馬身1/4差届かず。力の違いを見せつけられた。
前を行く
アーモンドアイをしっかりと視野に入れ、序盤は中団の9番手を追走。福永も「プレッシャーのないところで
リラックスして、いい形で運べた」と理想的な流れを強調した。ところが、肝心なところで予期せぬ事態が起こった。
「タフなバテ合いになって、苦しそうだった。左にモタれながら走っていた」。
菊花賞の激走から中4週。規格外の戦いを演じてきたさすがの三冠馬も、その体は悲鳴を上げていた。主戦は「一生懸命諦めずに走ってくれた。きょうのところは残念。
アーモンドアイが強かった」と勝者をたたえつつも、その表情は悔しさでいっぱいだった。
それは矢作師も同じ思い。1週前の時点では馬体の張りに不足を覚えたが、その後に急激なV字回復を見せ出走へ踏み切った。「何とか持ってくれたね。
菊花賞の出来をキープした感じ。ジョッキーは、
デアリングタクトの位置が欲しかったと言ってたけど、全て競馬の流れの中。あれこれ言ってはいられない」と潔かった。
19年9月のデビューから続いた連勝は、ついに7で止まった。トレーナーは「負けていないプレッシャーはきつかった」と深く息をつき、「改めて
アーモンドアイはすごい。リベンジできないのは悔しい」と残念がる。
これで年内は休養。次の目標に
大阪杯(4月4日・阪神)が挙がった。「冬場の休養でもう一段階上げて行ければ。また、やり直します」と指揮官。この悔しさを無駄にはしない。新たな年を“
コントレイル時代”とするために前を向いた。
提供:デイリースポーツ