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【勝負の分かれ目 チャンピオンズC】力があればこその徹底マークでチュウワウィザードが優勝

  • 2020年12月06日(日) 17時30分
 圧倒的1番人気に支持された川田将雅クリソベリルは、8枠15番という外枠から速いスタートを切った。が、そこから1ハロンほど内のヨシオと並走する形になり、すぐにはイン側に入れることができないまま1コーナーに差しかかった。

 クリソベリルは1コーナー入口で内に切れ込み、距離ロスを減らした。しかし、目の前には馬がおらず、2馬身ほど先を行くインティの姿を見通せる格好になった。前に壁を置けなかったせいか、川田の指示に反して引っ掛かってしまった。

 向正面に入ると落ちついたが、ここまでのロスが響いたのか、最後はいつものような末脚を使うことができず、4着に終わった。

 このレースがチャンピオンズカップという名称になり、中京開催となった2014年以降、8枠を引いた馬の最高着順は2015年ロワジャルダン(8枠16番)の4着。「砂の絶対王者」もそれを超えることはできなかった。行き脚のついたところに1コーナーがあるため、どうしても外枠は不利になる。

 対照的に、スムーズなレースで力を出し切ったのが、戸崎圭太が騎乗したチュウワウィザードだった。

「目標にしていたクリソベリルが前にいたのでマークして、手応えを見ながら進めました」

 戸崎がそう振り返ったように、向正面ではクリソベリルから離されないよう手綱を押して促し、2馬身ほど後ろにつけた。

 3番手のクリソベリルが持ったままの手応えで4コーナーを回ったのに対し、4番手のチュウワウィザードの戸崎の手はずっと動いたままだった。

「追ってしぶとい馬なので、外から仕掛けて行きました。馬の力で勝たせてもらいました」と戸崎。

 ラスト400m地点ではまだ並びかけることはできずにいたが、じわじわと脚を伸ばし、ラスト200m手前でクリソベリルを競り落とした。そして、逃げ込みをはかるインティを並ぶ間もなくかわし、先頭でフィニッシュ。嬉しいJRA・GI初勝利を挙げた。交流GIを含めると、これがGI3勝目。

 チュウワウィザードも11番という外目の枠からのスタートだった。このレースがチャンピオンズカップとなってから、ふた桁馬番の馬が勝ったのは初めてのこと。力があるからこそ手にすることができた、徹底マークの末の栄冠であった。

(文:島田明宏)

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