朝日杯FSと
ホープフルSに有力馬が分散する牡馬と違って牝馬路線はほぼ一本道であり、この阪神JFでは翌年のクラシック戦線も見据えた多くの有力馬が顔を合わせることになる。舞台となる阪神芝1600mは紛れが少なく素質馬が能力を発揮しやすい条件ではあるものの、この時期の2歳牝馬にとっては中々タフで底力が問われやすい。
1.ゆったりしたローテーション
過去10年で、中3週以内だった馬は[3-1-2-59]で複勝率9.2%しかない。対して、中4〜8週の馬は[6-7-7-74]で複勝率21.3%、中9週以上の馬は[1-2-1-15]で複勝率21.1%。ゆとりのあるローテーションで駒を進めてきた馬が中心となる。
2.末脚一辺倒は疑問視
差し追い込みが決まる年もあるレースだが、過去10年で前走の4角位置が10番手以下だった馬は[0-3-0-24]と勝ち切れていない。昨年は、10番手以下ではないが9頭立ての
アルテミスSを最後方から差し切った
リアアメリアが1番人気で6着。一昨年は
アルテミスSを4角13番手から差し切った
シェーングランツが3番人気で4着。また、13年は
新潟2歳Sを最後方から鋭く追い込んで勝った
ハープスターが、断然の1番人気ながら差し届かず2着に終わっている。
3.前傾ラップになりがち
このレースは短い距離しか経験のない馬、短距離志向の馬も多く参戦することから、前半のペースが速くなりがち。実際、過去10年中7年は前傾ラップになっている。これまでスローからのヨーイドンという競馬しか経験していない馬にとっては難しいレースになるだろう。
メイケイエールは1200mや1400mでも非常に掛かっていたから距離延長がどうかという面はあるが、前傾ラップになりやすいこのレースならこなせると見たい。直線でしっかり末脚を伸ばして勝ってきているから、外回り替わり自体は問題ないだろう。