今年秋のGI戦線は、芝もダートも例年の様相とはやや異なるものとなった。芝の
ジャパンCで注目となり上位を占めた3頭は揃って
有馬記念には出走せず。ダートの
チャンピオンズCもGI/JpnI勝ち馬が上位5着までを占めたが、いずれも
東京大賞典には出走してこなかった。そればかりか、
チャンピオンズC組が1頭もいない
東京大賞典となった。
過去10年の
東京大賞典の結果を見ても、3着以内に
チャンピオンズC(前身の
ジャパンCダートも含む)組が少なくとも1頭はいて、上位3着まで
チャンピオンズC組が占めたということもめずらしくない。
チャンピオンズCの上位組が出てくれば当然有力だが、二桁着順からの巻き返しもあった。
そういうわけで今回の
東京大賞典は例年とかなり傾向が異なる。中央勢でGI/JpnI勝ちがあるのは、このレース3連覇がかかる
オメガパフュームと、
ジャパンダートダービーを制した
ダノンファラオだけ。地方馬でも中央時代に
ジャパンダートダービーと
フェブラリーSを制した
ノンコノユメだけというメンバーになった。
トップレベルのラ
イバルがほとんどいなくなった
オメガパフュームにとって大井2000mは6戦して3勝、2着3回とコース適性も抜群。史上初となる
東京大賞典3勝&3連覇という可能性もかなり高いのではないか。
一昨年6歳時にダートに転向した
ウェスタールンドは8歳になって地方に参戦するようになって本格化といえそう。
アンタレスSが重賞初制覇となったが、それを含めて今年は4戦してすべて3着以内。小回りコースがどうかと思われた
浦和記念だったが、格下のメンバーがいる中でも縦長の最後方を追走し、向正面から一気にまくって出ると、ゴール前3頭の接戦となって惜しくもハナ+アタマ差の3着。直線の長い大井コースならさらに見せ場以上を期待できそう。
中央馬にGI/JpnI勝ち馬が2頭しかいないというメンバーなら、地方馬にもおおいに出番がありそう。気性面で能力を発揮できないこともある
ワークアンドラブだが、前走
サンタアニタトロフィーでは逃げて直線独走、圧巻のレースを見せた。そのパフォーマンスが発揮できれば中央勢相手でも可能性はある。
JBCクラシックでは古馬一線級相手に力及ばずの
ダノンファラオだったが、
浦和記念を制して今後への可能性を感じさた。隣の
ワークアンドラブとの兼ね合いがどうかだが、マイペースでの逃げか先行が叶えば、あっと言わせる場面はありそう。
JBCクラシックで、その
ダノンファラオに先着する4着だったのが
ミューチャリー。今年はそのほかにも
川崎記念、
日本テレビ盃でも4着だった。いずれダート
グレードでもチャンスは巡ってきそう。
そのほか地方馬では、
勝島王冠を逃げ切って充実ぶりを見せた
カジノフォンテン、昨年2着だった
ノンコノユメ、同じく昨年3着で今年の
南部杯でも3着に好走した
モジアナフレイバーらも、前述のとおり中央勢が手薄になったこのメンバーなら上位を狙える。
(文:斎藤修)
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