この時期のばんえい競馬は、これまでサラブレッドの競馬しかやったことのないばんえい初心者が多く参入してくると思うので、まずは基本的なご説明からさせていただきたい。
ばんえいにも、3歳三冠路線というものがある。しかし時期と順番が違い、ばんえい大賞典(8月)→ばんえい
菊花賞(11月)→ばんえいダービー(12月)となっている。
そして、ばんえい大賞典とばんえい
菊花賞は別定戦であり、それまでに賞金を稼いでいる馬は重い荷物を曳くことになる。それに対してばんえいダービーは定量戦。すべての馬が同じ条件で戦う。
ということは、当たり前の話だが格上の馬が有利になるということである。ただ、初心者の方はどの馬が格上なのか分からないかもしれない。
指標のひとつは、通算賞金だ。3歳馬の場合は、文字通りデビュー以来稼いだ賞金の通算額ということになる。
今回のメンバーだとキョウエイ
リュウ(618.5万円)、
コマサンダイヤ(567.3万円)が上位で、少し離れてアバシリルビーとカイセドクターが続く。ただ牝馬のアバシリルビーは牝馬限定戦で稼いだ金額もあるので、そこは多少割り引いて考えたほうがよいかもしれない。
2歳シーズンに稼いで3歳時さっぱりという馬はいくら賞金を持っていても敬遠しなくてはならないが、今年の出走馬についてはそこの心配は不要だろう。
近況を含めて考えるなら、古馬のどのクラスに編成され、どの程度の競馬をしているかということを見るのがよい。例えばキョウエイ
リュウは前走のオープンこそ6着(ダービーを控えているのでメイチの走りをする必要もなかった)だが、3走前にはA2-2組で2着している。それに対して例えば
ダイナマイトはB2-1組で勝ち負けのレベル。10月4日の3歳オープン(
秋桜賞)では
ダイナマイトが先着しているのだが、当時は重量に30キロの差があった。これはサラでいうとハンデ3キロ差か、それ以上に相当する。同じ重量なら今回はキョウエイ
リュウが先着すると考えるほうが自然だ。
そのような「自然な格上重視」で考えると、ここはキョウエイ
リュウと
コマサンダイヤが優勝候補ということになる。キョウエイ
リュウは2〜3歳シーズンに10連勝しながら、大一番のイレネー記念でまさかの競走中止。その後は順調とまではいかなかったが復調し、ばんえい
菊花賞を制した。本来世代を引っ張るべき馬の本領発揮に期待したい。
キョウエイ
リュウが泣いたイレネー記念を制したのが
コマサンダイヤ。その後は負担重量が重くなっても頑張って古馬相手にも好走を見せたし、ばんえい大賞典も制した。ばんえい
菊花賞の6着はさすがに負担重量が響いた(キョウエイ
リュウでも720キロのところ740キロ)印象で、定量のここで真価を発揮する。
この2頭に次ぐ存在がカイセドクター。ばんえい大賞典、ばんえい
菊花賞の2着馬で、悲願のタイトル制覇に挑む。ここ2走は着順こそ6着だが、着差と相手を考えるとそう悪くない競馬だ。
ダイナマイトは重い負担重量に不安があるが近況は悪くない。
ヤマトタイコーはこの重量でも先行力を発揮できるかがポイント。アバシリルビー、
ブラックサファイア、
ゴールドハンターあたりは展開次第で馬券圏内のチャンスがあるといったところか。
(文:須田鷹雄)
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