ファン投票による出走馬選出に加え、暮れの大晦日に開催されることから岩手競馬の
有馬記念と称される
桐花賞。
トウケイニセイが3連覇で有終の美を飾り、大けがをした
メイセイオペラが3歳最後に復活の狼煙を上げたように、勝ち馬には20年経っても語り継がれる名馬達が名を連ねている。まさにその年の岩手競馬の顔が制するレースだ。
過去10年を見ても1番人気の信頼度は高く5勝2着4回。特に今年は1年を通して活躍した馬達の参戦が多い上に、
桐花賞の勝利が
年度代表馬の座を左右することもあって、人気馬同士での決着が濃厚だ。
中心となるのは今年の岩手競馬を牽引してきた2頭。絆カップで初対決となった
ヒガシウィルウィンと
ランガディアだ。
ヒガシウィルウィンは折り合いがカギとなる馬で、併せ馬になると力むなど注文も多いが、
パンプキンズの逃げが予想以上にスローとなったのを早めの競馬で押し切った。岩手競馬へ移籍後はマイル戦しか経験がないが、過去の実績を考えれば2000mは守備範囲。状態さえ良ければいい競馬ができるはずだ。
一方、9月にイヌワシ賞に遠征してから調子を欠いていた
ランガディアは、2着に敗れはしたが、それは位置取りの差。むしろ復調を感じさせた。赤松杯、
シアンモア記念、
みちのく大賞典と
水沢競馬場で3連勝を飾っている上に、交流重賞
マーキュリーカップで3着と2000mの距離にも自信を持つ。
ヒガシウィルウィンを負かすとしたら、最も近い位置にいる。
これに続くのは
北上川大賞典組だ。
桐花賞と連勝した馬は2007年を最後に誕生していないが、出走馬の多くが馬券圏内に絡んでいる。
今年の勝ち馬は、今シーズン未勝利続きだった
エンパイアペガサス。超スローの流れに折り合いで苦労する場面もあったが、長距離戦はお手のもの。残り800mから先頭へと進出すると2着
フレッチャビアンカと後続を引き離し、久しぶりの美酒を味わった。前哨戦にマイルを使うと反動が出ることを懸念して、長距離戦を選んだことも好材料。3年ぶりの制覇でファン投票1位の期待に応えたいところだ。
その
エンパイアペガサスに唯一迫った
フレッチャビアンカは、夏を越してからの成長が著しい3歳馬。
東北優駿、
不来方賞と2冠を制した勢いで、他地区の馬達を相手にダービー
グランプリも制した。
桐花賞はその年のダービー
グランプリ馬と相性がいいレース。成長力と斤量差2キロを活かして、2年連続となる3歳馬の制覇を狙っている。
(文=森内智也)
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