明け3歳馬による2歳シーズンを締めくくる
金杯。
若駒賞、
南部駒賞に続く岩手競馬ダート2歳三冠競走の最終戦で、過去の勝ち馬には短距離路線で全国区の活躍をした
ラブバレットや岩手ダービー
ダイヤモンドカップ、ダービー
グランプリを制した
チャイヤプーンなどもいる目の離せないレースだ。
今年、気になるのは、昨年末の開催が何度も中止に追い込まれたほどの降雪の影響。一時は気温が上がったことで融雪剤が効きはじめて、多数の水たまりが表面を覆う泥だらけの馬場となったが、年末年始には再び寒波の影響を受けてマイナス気温の日が続いている。ある程度の気温にならないと融雪剤は効かずに馬場が凍結してしまうことから、当日の馬場状態はもちろんだが、若い2歳馬だけにその調教過程にも注意が必要となってくるだろう。
それでも中心はこの路線を牽引してきた
リュウノシンゲンで間違いない。初芝に戸惑った若鮎賞、そして道営馬2頭に後塵を拝した
南部駒賞を除けば、ダート戦では岩手競馬所属馬に負け無し。
金杯の
トライアルである寒菊賞の直線でも、1頭抜け出してから遊んでしまう悪い癖を見せたが、そこに付け入ることができるラ
イバル馬は存在しなかった。
金杯における過去10年の1番人気は5勝2着3回3着1回と、データも寒菊賞の再現を後押しする。
その相手候補だが、例年、
金杯は同じ舞台となる
水沢競馬場1600mで行われる寒菊賞からの転戦組が上位を占める。その出走馬の中から考えるのが妥当だろう。
4角で先頭に立つ競馬で2着に粘った
グランフォロミーは、勝ち馬以外で唯一1分40秒台で走り抜けた馬。知床賞から14kg増えた馬体重が示すように、移籍後に遠野馬の里でリフレッシュした効果もあったようだ。今回もいい状態で出走してくれば、好走は確実だ。
勝ち馬をマークする形で3着をもぎ取った
ファイントリックも、この秋に馬体重が10kg増えた成長著しい馬の1頭だ。
プリンセスカップでは、ここに出走していれば
リュウノシンゲンに次ぐ人気となっていたはずの
ゴールデンヒーラーの3着。常に安定した成績を残している面でも信頼が置ける。
もう1頭あげるとすれば
マツリダジョオーだ。寒菊賞は5着に敗れたが、3角では後方3番手の位置から追い上げてのもの。
水沢競馬場は4戦して2勝2着1回とコース適性も高い。持ち味のロングスパートが決まれば、上位に食い込んでくるだろう。
(文=森内智也)
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