JRAは10日、令和3年度の新規調教師免許試験合格者を発表。JRA・G1・26勝を誇る
蛯名正義騎手(51)=美浦・フリー=をはじめ、東西で7人の新人トレーナーが誕生した。原則として免許期間の始期は来年1月1日からとなるが、蛯名は2月末に騎手免許を返上。3月1日からトレーナーとして馬づくりに励んでいく。
三度目の正直で、ついに大輪を咲かせた。騎手として数々のタイトルを獲得してきた蛯名が、今度はトレーナーとして夢の続きを追う。
エルコンドルパサーでの
ジャパンC制覇、
マンハッタンカフェ、
マツリダゴッホでの
有馬記念2勝、
アパパネでの牝馬三冠-。デビューから33年でJRA通算2537勝(うちG1・26勝=10日現在)というきらびやかな戦績を残す一方で、どうしても勝てなかったのがダービーと
凱旋門賞だった。
凱旋門賞は99年(
エルコンドルパサー)、10年(
ナカヤマフェスタ)に挑戦していずれも2着。ダービーも12年(
フェノーメノ)、14年(
イスラボニータ)ともに2着に終わっている。「手の届きそうなところまでいったけど、結果勝てなかった。でも自分としては、できる状況の中で精いっぱいやったし、悔いはない」と振り返り、「改めて調教師としてチャンスをもらったし、もう一度チャレンジしていきたい」と決意を新たにした。
目標として挙げたのは藤沢和師だ。「厩舎の手伝いをさせてもらう中で、馬に対する考え方をはじめ、いろいろ勉強させてもらった」。通算1522勝の名トレーナー。その偉大な背中を追い掛けるつもりだ。
「ジョッキーからは“この厩舎の馬に乗りたい”という厩舎に。ファンの皆さんからは引き続き応援され、喜んでもらえるような厩舎にしたい」。51歳の新人トレーナーが、新たな勝負の世界へ飛び込む。
提供:デイリースポーツ