桜花賞と同じ舞台で行われる2歳女王決定戦・
阪神ジュベナイルフィリーズ。
桜花賞との関連性も深いが、直線が長く、タフな阪神コースなので、2歳牝馬にとってはスタミナも問われるレースだ。15年の勝ち馬
メジャーエンブレムは翌年の
NHKマイルCに勝ち、16年の優勝馬
ソウルスターリングは
オークス馬となって、当時の2着馬
リスグラシューは
年度代表馬にまで昇りつめた。17年以降も
ラッキーライラック、
ダノンファンタジー、
レシステンシアが勝ち、
リリーノーブル、
クロノジェネシス、
マルターズディオサが2着。2歳女王決定戦であると同時に、将来の活躍馬を約束するかのような出世レースにもなっている。
◎
サトノレイナスはセレクトセール当歳の
ミリオンホース。デビュー戦、
サフラン賞ともにスタートでダッシュが付かずに後方からの競馬になったが、それでも最後はしっかりと脚を伸ばして勝ちきった。まだ競馬を教えているような段階だが、それでも器の大きさもが窺い知れる内容だった。母の
バラダセールはアルゼンチンの2冠牝馬で、同国の3歳牝馬チャンピオン。
ディープインパクト×
ノットフォーセールの組み合わせは一昨年の優勝馬
ダノンファンタジーと同じ。勝って来年につなげてほしい
すでに重賞2勝の○
ソダシは完成度の高さが武器だ。デビュー戦を楽勝し、洋芝の
札幌2歳Sはレコード勝ち。前走の
アルテミスSは初めての左まわり、初めての長距離輸送といったレース前の不安要素をまったく感じさせずに、33秒台の末脚で後続を封じ込めた。父も、母の父もマイルGI優勝馬で、母の半姉
ユキチャンは
関東オークスの勝ち馬ながらも3歳春には芝の
ミモザ賞に勝って、重賞の
フローラSへと駒を進めている。これまでの実績を信頼したい。
新種牡馬
モーリス産駒の▲
インフィナイトはマイル重賞で活躍した
ブラックスピネルの半妹。一族には
クリソベリルや
マリアライト、
アロンダイトらが名を連ねる名門ファミリーだ。基本的には晩成ファミリーであるということと、デビューからの2戦がともに不良馬場での1戦だったことからやや評価を下げたが、
母モルガナイトは阪神競馬場芝1800mのレコード勝ちを記録しているくらいだから、スピード競馬に特別な不安があるわけでもない。勝てば、父を新種牡馬チャンピオンに押し上げる原動力となる。
スピードを武器に3連勝中の△
メイケイエールは逃げなくても競馬ができるのが強みで、先手を主張しそうな△
ポールネイロンは、その血統背景から一介のス
プリンターではない。逆に先行馬が総崩れになるようなラップになるなら△
オパールムーン、△
シゲルピンクルビーの末脚は台風に目になり得る。