ジャパンCで死闘を繰り広げた“3強”のうち、
アーモンドアイは引退、
コントレイルと
デアリングタクトは来年を見据えて休養に入った。一年の総決算である
有馬記念は、
ジャパンCの上位3頭が抜けたメンバー構成となる。
しかし、格落ちという印象はない。今年はコ
ロナ禍により
香港ヴァーズ(12月13日・GI・芝2400m)への遠征馬がゼロ。例年なら、そちらへ回っていたであろう実力馬が有馬に参戦してきた。そして、もともと有馬一本で調整してきた組も層が厚い。
2020年の血統シーンを、ひと言で表すなら「種牡馬新時代の到来」。
サンデーサイレンス産駒が長らくわが国の支配勢力となっていたが、その時代が終わりを告げ、ここ2-3年にデビューした新世代が一気に台頭してきた。
モーリス、
ドゥラメンテ、
キズナ、
エピファネイア、
ロードカナロア、
オルフェーヴル。これらの仔がどんどんひのき舞台に立ち、絶対王者の
ディープインパクトに挑んでいった。
ここ数年の中山競馬場の芝は、以前よりも馬場が綺麗になって決着時計が速くなる傾向が見られた。しかし、今年は様相が異なり、昨年よりも力を要する馬場コンディションとなっている。
サドラーズウェルズ、ロベルト、
トニービンといった、かつて
有馬記念に強かったヨーロッパ型の重厚な血統が復活する可能性がある。
上がり3ハロン33秒台の切れ味勝負にはならず、36秒台の粘り合いになるだろう。スピードの持続力、荒れ馬場を苦にしない
パワー、2500m以上でもびくともしないスタミナ。こうした要素が重要となる。
基本的には前に行った馬が有利だが、馬場の内側がさらに荒れてくれば、
オルフェーヴルや
ゴールドシップが見せたような豪快なマクリが決まるかもしれない。奇しくもこの2頭は
ステイゴールドの息子。
中山競馬場の馬場が綺麗になる前の
有馬記念では毎年のように馬券に絡んでいた血統だが、最近は存在感が薄れつつあった。馬場が重たい今年は巻き返す可能性がある。今年は
ラッキーライラック、
オーソリティ、
バビット、
オセアグレイト、
ブラックホール、
クレッシェンドラヴが
ステイゴールド系に属している。
切れ味勝負に強い馬ではなく、遅い上がりでGII以上を勝っている馬に注目したい。また、ここ2-3年にデビューした、活きのいい新世代の種牡馬も積極的に狙ってみたい。
(文=栗山求)
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