思い出の地でラストを飾る。来年2月末の勇退を表明している角居勝彦調教師(56)=栗東。開業4年目で迎えた04年
菊花賞で厩舎初のG1制覇を果たした
デルタブルースが、同年に挑戦したのが、師にとって初の
有馬記念だった。以降参戦しなかったのは08、09、13、15、18年の5回だけ。のべ20頭を送り込み、暮れの
グランプリを盛り上げた。10年には
ヴィクトワールピサで制覇。「やはり思い入れがありますね」と感慨深げに振り返る。
今年、のべ21頭目の参戦となるのが
キセキだ。馬具を工夫して、17年
菊花賞馬の復活を期待する。「クロス鼻革を着けて調教。追い切りに乗ったジョッキーが感触をつかんでくれているのは、いいことだと思います。枠が重要ですが、リズム良く運んでもらえれば」と浜中に思いを託す。
指揮官にとって、
有馬記念とはどんなレースなのか-。「一年の締めくくり。
グランプリレースですから。出たいと思っても、出られないレース。最後に挑戦できるのは幸せなことです」。調教師として残された時間は約2カ月。名将が“ラスト有馬”で奇跡を起こす。(デイリースポーツ・井上達也)
提供:デイリースポーツ