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【有馬記念予想】 堅いGI戦線で泣いた「穴の万哲」がここで逆襲!? 今年の夢馬券の使者は3頭の実力馬!/JRAレース展望

  • 2020年12月25日(金) 20時33分
 確かに、今年のGIは1番人気が強かった。ただ、有馬記念の顔触れを見ればアーモンドアイコントレイルデアリングタクトグランアレグリア(カテゴリーは違うが)など、「強い1番人気」を支えた面々が不在。

 メンバー中、1番人気に応えて今年GIを勝った馬といえば、天皇賞・春フィエールマンエリザベス女王杯ラッキーライラックぐらい。前者はスティッフェリオ相手に辛勝。後者は大外枠の不利を、機敏な立ち回りでカバーしたルメールの好騎乗も大きかった。ファン投票1位のクロノジェネシス宝塚記念はやや重、時計が掛かる決着(2分13秒5)も味方したのも事実。

 オッズ的には「3強」だろうが、挑戦者の立場ならまだしも、展開不問でねじ伏せるような強さは感じない。クロノもラッキーも距離延長に不安。両者とも、現状は脚を温存して動きたいクチ。直線の短い中山でどう立ち回るか? 鞍上の戦略も重要になってくる。1年を通して穴党にはつらいGI戦線だったが、最後ぐらいは笑えるかもしれない。

 では、激走馬の勘どころは? 過去10年で3歳馬は5頭と世代成績はいいが、ヴィクトワールピサオルフェーヴルゴールドシップサトノダイヤモンドは当該年のクラシック優勝馬だった。残る18年ブラストワンピースもダービー5着、菊花賞4着。クラシック好走歴がないバビットオーソリティは「3歳優位」の傾向といえども、さすがに狙いにくい。

 有馬記念で特徴的な傾向は「大型馬が強い」。ジャパンCの直近10年の、優勝馬の平均馬体重は481キロ。牝馬が6勝に対し、牡馬が4勝。牝馬特有の軽さ=切れがフルに生きる図式。対して、有馬記念の過去10年は495キロで牝馬は2勝のみ。

 この間、2勝マークのオルフェーヴル(11年462キロ、13年466キロ)が数字を押し下げていなければ、「でかい馬が有馬は勝つ図式」はもっと鮮明になっていた。洋芝をオ−バーシードした冬場の重い芝に加え、直線の急坂を2度上るタフな設定。

 18年ブラストワンピース(534キロ)が代表格。リスグラシューが制した昨年の2着馬サートゥルナーリア(504キロ)も500キロを超えていた。先週(3週目)までの馬場傾向が続くと決めつけるのは危険だが、それでもパワーがいる設定は続くだろう。

 そこで惑星馬を3頭。2年前の優勝馬ブラストワンピースは年初のAJC杯も勝ち、中山は2戦2勝。瞬発力を問われる東京(天皇賞・秋11着)は長い地下馬道でイレ込む面もあり、ノーカウントと考えたほうがいいかも。天皇賞の馬体重は550キロだった。

 キセキ有馬記念で過去2年、いずれも5着と結果は出ていないが、ジャパンC(8着)は自ら飛ばしたのも影響した。ひと頃のゲート難は解消されており、折り合えるようなら。前走時で508キロ。パワー馬場はもちろん合っている。

 もう1頭、牝馬ではラヴズオンリーユー。体質強化で直近2戦の486キロは最高体重。オークス(1着)ではカレンブーケドールクロノジェネシスを破っている。今年未勝利で人気はまずないが、ボリュームアップした今なら、初の中山がプラスとなる可能性。
(文=スポーツニッポン・小田哲也)

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