確かに、今年のGIは1番人気が強かった。ただ、
有馬記念の顔触れを見れば
アーモンドアイ、
コントレイル、
デアリングタクト、
グランアレグリア(カテゴリーは違うが)など、「強い1番人気」を支えた面々が不在。
メンバー中、1番人気に応えて今年GIを勝った馬といえば、
天皇賞・春の
フィエールマンや
エリザベス女王杯の
ラッキーライラックぐらい。前者は
スティッフェリオ相手に辛勝。後者は大外枠の不利を、機敏な立ち回りでカバーしたルメールの好騎乗も大きかった。ファン投票1位の
クロノジェネシスの
宝塚記念はやや重、時計が掛かる決着(2分13秒5)も味方したのも事実。
オッズ的には「3強」だろうが、挑戦者の立場ならまだしも、展開不問でねじ伏せるような強さは感じない。クロノもラッキーも距離延長に不安。両者とも、現状は脚を温存して動きたいクチ。直線の短い中山でどう立ち回るか? 鞍上の戦略も重要になってくる。1年を通して穴党にはつらいGI戦線だったが、最後ぐらいは笑えるかもしれない。
では、激走馬の勘どころは? 過去10年で3歳馬は5頭と世代成績はいいが、
ヴィクトワールピサ、
オルフェーヴル、
ゴールドシップ、
サトノダイヤモンドは当該年のクラシック優勝馬だった。残る18年
ブラストワンピースもダービー5着、
菊花賞4着。クラシック好走歴がない
バビット、
オーソリティは「3歳優位」の傾向といえども、さすがに狙いにくい。
有馬記念で特徴的な傾向は「大型馬が強い」。
ジャパンCの直近10年の、優勝馬の平均馬体重は481キロ。牝馬が6勝に対し、牡馬が4勝。牝馬特有の軽さ=切れがフルに生きる図式。対して、
有馬記念の過去10年は495キロで牝馬は2勝のみ。
この間、2勝マークの
オルフェーヴル(11年462キロ、13年466キロ)が数字を押し下げていなければ、「でかい馬が有馬は勝つ図式」はもっと鮮明になっていた。洋芝をオ−バーシードした冬場の重い芝に加え、直線の急坂を2度上るタフな設定。
18年
ブラストワンピース(534キロ)が代表格。
リスグラシューが制した昨年の2着馬
サートゥルナーリア(504キロ)も500キロを超えていた。先週(3週目)までの馬場傾向が続くと決めつけるのは危険だが、それでも
パワーがいる設定は続くだろう。
そこで惑星馬を3頭。2年前の優勝馬
ブラストワンピースは年初のAJC杯も勝ち、中山は2戦2勝。瞬発力を問われる東京(
天皇賞・秋11着)は長い地下馬道でイレ込む面もあり、ノーカウントと考えたほうがいいかも。天皇賞の馬体重は550キロだった。
キセキは
有馬記念で過去2年、いずれも5着と結果は出ていないが、
ジャパンC(8着)は自ら飛ばしたのも影響した。ひと頃のゲート難は解消されており、折り合えるようなら。前走時で508キロ。
パワー馬場はもちろん合っている。
もう1頭、牝馬では
ラヴズオンリーユー。体質強化で直近2戦の486キロは最高体重。
オークス(1着)では
カレンブーケドール、
クロノジェネシスを破っている。今年未勝利で人気はまずないが、ボリュームアップした今なら、初の中山がプラスとなる可能性。
(文=スポーツニッポン・小田哲也)
有馬記念予想特集にて予想が見られる500ptを全員にプレゼント中! 週末には歌舞伎俳優の尾上松也さんやお笑い芸人の千鳥ノブさんら芸能人が勝負予想を公開! 以下よりぜひご覧ください。
現在、
有馬記念予想特集ページを公開中! 2020年のGIはとにかく、1番人気が強いという印象でしたが、調べてみると意外な発見が…。以下よりぜひご覧ください。