有馬記念は2014年に完全ドラフトで枠順抽選会が行われ、1番クジを引いた
ジェンティルドンナが2枠4番を選択。有終の美を飾ったように、舞台となる芝2500mは内目の枠が圧倒的に有利なコースだ。
外回りの3コーナーからスタート。最初の4コーナーまでの距離は約192mと短いため、最初のコーナーで多頭数の外を回ってしまうとロスが大きくなり、その後に内目に進路を取るにしても、仕掛けどころに制約を受けるからだ。
近2年こそ逃げ馬の
キセキや
アエロリットが外枠に入り、ロスを嫌って最初の4コーナーまでにハナに立とうと、序盤からペースを引き上げたことで隊列が縦長となり、枠順の有利不利よりも逃げ、先行馬は不利という、脚質の有利不利の影響を強く受けた。
ペースが遅くなればなるほど、外目の枠の馬は不利を受ける。実際に過去10年で5F通過が63秒0と最もペースが遅かった2014年は、14番枠の
ゴールドシップや15番枠の
ジャスタウェイはロスの大きい競馬で3着、4着に敗れている。
逃げ馬が内枠に入って逃げた場合には、無理なくハナを主張できるので、そこまでペースが上がらず、外目の枠は不利。逆に逃げ馬が外枠に入った場合には、序盤からペースを引き上げてハナを奪おうとするため、逃げ、先行馬が不利な展開になりやすいので、このポイントは必ずチェックしてほしい。
また、
有馬記念は過去10年で
菊花賞4着以内馬が4勝。2014年には、
トゥザワールドが
菊花賞16着大敗から2着に巻き返したこともあるように、前走
菊花賞組が優勢だ。理由としては「古馬は
ジャパンCを大目標にしていることが多いこと」、「長距離を経験している優位性があること」、「3歳馬はこの時期に一気に成長する傾向があること」の3つが挙げられる。
今年は
菊花賞馬の4着以内は不出走だけに、古馬にチャンスが巡ってくるが、
ジャパンCの好走馬は不振で、昨年の
ジャパンCを制した
スワーヴリチャードは
有馬記念では12着と大敗。
2014年の
エピファネイアも、
ジャパンCでは2着
ジャスタウェイを4馬身突き放す強い内容だったが、
有馬記念では上手くレースを運びながらも外枠でロスの大きい競馬になった
ジャスタウェイに先着を許している。
確かに、
ジャパンC組は過去10年の
有馬記念で3度優勝しているが、それらはすべて
ジャパンCの3-4着馬。それどころか2011年には、
ジャパンCで8着に敗れた
エイシンフラッシュが内枠の優位性を生かして2着に巻き返しているほど。このことからも前走
ジャパンCで凡退した実績馬は狙えても、好走した馬は狙いづらいものがある。
また、先々週の
香港Cでは、
エリザベス女王杯で16着に敗れた
ノームコアが巻き返しVを決めたが、同馬は
エリザベス女王杯でラビットのようにオーバーペースで逃げて大失速している。上位馬は展開に恵まれて好走した馬ばかりだけに、レベルも首をかしげざるを得ない。
そうなると、前走
ジャパンC凡退馬や
天皇賞・秋組が有力になるだろう。前走で能力を出し切れなかった、長距離適性のある馬を狙いたいものだ。
(文=山崎エリカ)
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