「
有馬記念・G1」(27日、中山)
ファン投票1位で選出され、1番人気の支持に応えた
クロノジェネシス。同馬を管理する
斉藤崇史調教師(38)=栗東=は、84年の
グレード制導入後の最年少有馬V記録を更新した。2着は11番人気の
サラキアが入り、
有馬記念史上初の牝馬ワンツーフィニッシュとなった。3着は2番人気の
フィエールマン。なお、9番人気
ブラストワンピースはレース中に心房細動を発症し、競走を中止した。
歴代最多得票数でのファン投票1位、レース当日も1番人気。初めてチャレンジした年末の
グランプリを、
クロノジェネシスで制した斉藤崇師は「ホッとしました」と安どの笑みを浮かべた。
2019年の
リスグラシューに続く2年連続の同一年春秋
グランプリ制覇。厩舎にとっては20年のNHKマイルC(
ラウダシオン)も含め、通算4度目のG1美酒となった。「位置取りよりも、スタンド前を折り合いがついて運べていたのが良かった。(直線は)少し早いかなと思ったけど、ジョッキーが自信を持って乗っていた。先頭でゴールできてうれしかった」と勝利の余韻に浸った。
デビュー時から馬体が20キロ以上増え、この日は前走から10キロ増の474キロだった。「太め感はなかった。雰囲気も良かったし、いい輸送ができたかなと思っていました。体が増えたと言うより、精神面での成長が大きいですね」と胸を張る。厩舎を開業して5年目。38歳3カ月29日での
有馬記念Vは、
グレード制導入後の最年少記録だ。
かつて松永幹厩舎で長い間助手を務め、同厩舎にとってのG1初制覇となった、
レッドディザイアを担当した経験を持つ。師匠が管理する
ラッキーライラックとは4度目の直接対決。連敗のあとの2連勝で、師匠への“恩返し”も果たした。
アーモンドアイ、
ラッキーライラック、
サラキアがターフを去り、2021年は牝馬の、いや競馬界のトップとして盛り上げていく立場となった。「まずは無事に、(出走する)全レースを走り切る。来年はもっともっと大きなレースを、もっともっといろいろな夢を見たいですね」。さらなる飛躍を期し、力強く声を弾ませた。
提供:デイリースポーツ