「
シンザン記念・G3」(10日、中京)
卓越したスピードで他馬を圧倒。影をも踏ませぬ逃走劇で、4番人気
ピクシーナイトが重賞初勝利を飾った。
課題のスタートをポンと出て、そのまま切れ込むようにハナへ。手応えに余裕を残したまま直線へ向くと、あとは後続との差を広げるばかりだった。
「G1を勝てる能力があるという認識はありました」。デビューから手綱を取る福永は、秘めた素質を早くから感じ取っていたが、前走の秋明菊賞では出遅れが響き3着。中間はゲート練習を入念に重ねてきた。今回はそのかいあっての押し切り勝ちだ。「行く形もありだと思っていました。厩舎サイドが重点的に修正してくれて、いいスタートを出られたのが大きかったです」と陣営の尽力に感謝した。
この勝利で鞍上はJRA通算2400勝を達成。重賞タイトルに花を添えた。「知らなかったです。いい形で順調に勝ち星を積み重ねられています」と3冠ジョッキーは顔をほころばせた。
かつては
アーモンドアイや
ジェンティルドンナらが制したスターホースの登竜門。厩舎の先輩
ミッキーアイルもここからマイル王へ羽ばたいた。音無師は「能力は半端ない。この春はマイル路線で行く」と府中の大舞台を見据える。課題を克服した快速馬が、偉大な先輩の蹄跡を越えてゆく。
提供:デイリースポーツ