「
日経新春杯・G2」(17日、中京)
格上挑戦した7番人気の
ショウリュウイクゾが好位から鮮やかに抜け出し、古馬伝統のハンデ重賞で、初タイトルをつかんだ。騎乗した
団野大成騎手(20)=栗東・斉藤崇=も、デビュー3年目にしてうれしい重賞初制覇。2着は13番人気の
ミスマンマミーア、3着には4番人気の
クラージュゲリエが入り、3連単は96万1790円と波乱の結果に。1番人気の
アドマイヤビルゴは直線で伸びを欠き10着に敗れた。
ゴールの瞬間の力強い
ガッツポーズが、喜びの大きさを物語っていた。格上挑戦した7番人気の
ショウリュウイクゾが重賞初制覇。騎乗したデビュー3年目の団野は、17度目の重賞挑戦で待望の初タイトルを手にした。検量室前では、佐々木師と
グータッチ。「今でも、自分でも信じられないです。年始に大きいところを勝たせてもらって本当にうれしい」と満面の笑みだ。
積極的な騎乗が光った。発馬を決めて外めの3番手に導くと、直線半ばで堂々と先頭へ。「4角手前で手応えが悪くなったんですが、直線に入って手前を変えてからもうひと踏ん張りしてくれました。何とかしのいでくれと思って、がむしゃらに追っていましたね」。左手で手綱を押し、こん身の右ステッキを連打。相棒を懸命に鼓舞して、後続の猛追を3/4馬身封じ込めた。
うまくなりたい-。その一心で競馬に全てをささげてきた。先輩・横山武の姿を見習い、両手を思い通りに使えるように、利き手とは逆の左手で箸を使うなど、私生活から技術向上に努めた。昨夏には
バビットで
ラジオNIKKEI賞に挑むはずが、直前に落馬負傷。乗り代わりで重賞Vを果たせずに悔しい思いも。ただ、努力を続けた20歳の若武者は、自らの手綱で勝利の女神を振り向かせた。
母ショウリュウムーンとの親子重賞Vを達成した佐々木師も「レースぶりは
パーフェクト。思い切りがいいし、メリハリが利いた魅せる騎乗をするよね」と殊勲の鞍上をたたえる。団野のJRA通算92勝のうち、厩舎別最多となる16勝が佐々木師の管理馬。信じて起用してきたことが、最高の形で実を結んだ。
今後は、
京都記念(2月14日・阪神)が有力となる。「この勝利に甘んじず、日々精進したいです」と鞍上。ともに重賞初Vをつかんだ明け5歳の素質馬と、さらなる飛躍を目指す。
提供:デイリースポーツ