第61回
きさらぎ賞は、35年ぶりに中京で行われた。出走馬は11頭。
好スタートから
タガノカイがハナを切り、
ショウナンアレス、
アクセルらがつづく。
1番人気に支持された
三浦皇成の
ランドオブリバティは、スタート直後に両側から挟まれ、正面スタンド前では最後方からの競馬となった。4コーナーで逸走して競走中止になった前走の
ホープフルステークスでも、ゲートを出てすぐ他馬と接触していた。そのときはエキサイトしたように先行したが、今回は、口を割って掛かり気味になりながらも、我慢して追走している。
2番人気の
ヨーホーレイクも後方。
北村友一が乗る3番人気の
ラーゴムは、速いスタートを切って好位の内につけた。
「調教の感じから、少し力む面が出てきていたので、ゲートを出てからもポジションを取らず、
リラックスして走らせようとしました。それでもやはり、今日も力んでしまいました」
そう話した北村が手綱を短く持ち、後ろに重心をかけた状態で1、2コーナーを回り、3、4番手の内につけて向正面に入った。
先頭から最後方までは12、3馬身と、頭数のわりには縦長になった。
ランドオブリバティは後方2番手。ギリギリのところで折り合って進んでいる。
ヨーホーレイクはそこから3、4馬身前の後方3番手。こちらも鞍上の
武豊との呼吸が合っている。
タガノカイが先頭のまま3、4コーナーを回り、直線へ。
ヨーホーレイクは抜群の手応えで大外に持ち出された。同じく手応えのいい
ランドオブリバティは、これをマークするように外に進路を取った。ラスト400m地点で三浦の右ステッキが入った。
距離ロスの少ない内目を回って直線に入った
ラーゴムが、ラスト200m地点で先頭に躍り出た。
外から
ヨーホーレイクが凄まじい脚で伸びてくる。
そのまま
ヨーホーレイクが突き抜けるかに見えたが、
ラーゴムは失速せずに伸びつづけ、先頭でゴールを駆け抜けた。
「よくしのいでくれました。本当に強かったと思います。負けない気持ち、闘争心のある馬です。まだ課題も多いですが、次に向けて修正していければと思います」と北村。
クビ差の2着は
ヨーホーレイク。
ランドオブリバティはジリジリとしか伸びず、そこから3馬身半遅れた3着だった。
活力あふれる走りで重賞初制覇を遂げた
ラーゴムに対し、
ヨーホーレイクは自分の競馬に徹し、
ランドオブリバティは真っ直ぐ走るという最大のテーマをこなしながら結果を出そうとしたが、及ばなかった。
上位3頭は、現状で発揮し得る最大限のパフォーマンスを見せたと言えるのではないか。
(文:島田明宏)