「
きさらぎ賞・G3」(7日、中京)
クラシックへの扉を開いた。35年ぶりの中京決戦を制したのは、北村友騎乗の3番人気
ラーゴム。好位追走から直線で力強く抜け出して、重賞初制覇を果たした。2着には2番人気の
ヨーホーレイクが入り、1番人気の
ランドオブリバティは3着に敗れた。
父
オルフェーヴルから栗毛、筋骨隆々の馬体、荒々しい気性を受け継いだ
ラーゴム。3番手から直線で先頭に出ると、最後の坂を懸命に駆け上がる。ゴール前は脚が上がりかけたが、気合でもうひと伸び。外から迫る
ヨーホーレイクの猛追を首差しのいで栄光のゴールへ飛び込んだ。
待望の重賞初制覇。額の汗を拭った北村友は「(最後は)よくしのいでくれましたし、強かったと思います」とパートナーをねぎらったが、喜びと同時に今後へ向けての課題も明確に。「力んでしまったので、次は修正したいですね」と口元を引き締めた。
「この馬でクラシックへ行きたい」と期待を込める好素材だが、調教段階から“折り合い”は懸念されていた。3週連続で追い切りに騎乗しても、制御に苦労し、鞍上の曇った表情はなかなか晴れなかった。実戦でも、スタートから4角まで力み通し。ただ、「結果を出せたことに、まずはホッとしています」と最低限の課題をクリアし、安どの表情を浮かべた。
戦況を見守った斉藤崇師は「勝ったのは良かった。賞金が増えて
皐月賞とダービーに出られる」とうなずきつつも、胸中は鞍上と同じだ。「調教から力みが強い。修正しないと本番では厳しいと思います」。それでも「あの状況で2、3着は後ろから来た馬。勝ち切ったのは大したもの」と能力の高さを再認識していた。
近日中に滋賀県のノーザン
ファームしがらきへ放牧。次戦は「馬の様子を見て考えたい」と指揮官は明言を避けたが、
クロノジェネシスとのコンビで深めた“絆”で、クラシック戦線へ立ち向かう。
提供:デイリースポーツ