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【勝負の分かれ目 共同通信杯】エフフォーリアが力強く抜け出し、クラシック主役級の一頭に

  • 2021年02月14日(日) 18時00分
 第55回共同通信杯の出走馬は12頭。

 向正面入口でディープリッチがハナに立ち、タイソウが2番手、横山武史が乗るエフフォーリアは3番手の外につけた。

「前走はすごくテンションが高かったのですが、今回は落ちついていました。返し馬もリラックスしていたので、この馬の力を発揮できる自信はありました」

 エフフォーリアは、そう話した横山武史が体重を後ろにかけて抑えるほどの、掛かり気味の手応えで進んで行く。

 父の横山典弘が乗る1番人気のステラヴェローチェはそれをマークするように、1馬身ほど後ろにつけている。

 向正面なかほどで、中団につけていたハートオブアシティが、緩い流れを嫌うように進出して行った。エフフォーリアの外をかすめるようにポジションを上げ、先頭に立つ。

 エフフォーリアは、こうして外から他馬が行ってもつられることなく、ギリギリのところで我慢している。

 エフフォーリアは抜群の手応えのまま、4番手で3コーナーに進入した。

 前を射程に入れて3、4コーナーを回り、直線へ。

 横山武史はちらっと後方を確認してから馬銜を詰め、2番手のディープリッチの外に並びかけた。そして、ラスト400mを切ったところで右ステッキを入れ、ゴーサインを出す。

 エフフォーリアは鞍上の叱咤に応えて力強く末脚を伸ばし、ラスト200m手前で先頭に躍り出た。

 少しずつ後ろとの差をひろげながら、横山武史はまた後ろとの差を確認した。その後もさらにステッキを入れ、先頭でフィニッシュ。2着を2馬身半突き放す圧勝だった。

 鞍上の右手が挙がった。これで3戦3勝。その3戦すべてで手綱を取った横山武史は「デビュー前から期待して、思い入れがあったので、ガッツポーズが出ました」と喜びを語った。

 道中は掛かり気味ではあったが、コントロールが利き、ゴーサインに対する反応も鋭い。

 牡馬クラシック戦線の主役と見られているダノンザキッドとの対決が楽しみになる一戦だった。

(文:島田明宏)

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