「
フェブラリーS・G1」(21日、東京)
家業の天理教を継ぐため、28日をもって勇退する角居勝彦調教師(56)=栗東。最後のG1は
ワイドファラオで挑戦する。これまでに、のべ204頭の管理馬をJRA・G1に送り出し、歴代2位の26勝を挙げた名将、そして師を尊敬してやまない福永が思いを語った。
気負わない。いつものように挑むだけだ。角居師が自身最後の大舞台に
ワイドファラオを送り出す。
2020年の
かしわ記念でG1馬の仲間入り。その後3戦は勝ち星に見放され、前走も9着に敗れたが、指揮官は「ためる練習をたくさん入れたんです。ためは利くようになってお利口さんに走るようになったけど、今度ははじけ方が分からなくなってしまった」と敗因を分析する。
中間はそのあたりを踏まえて調整。「背腰の疲れを休養で立て直した。もっと走ってくれないかなと思います」と期待した。
鞍上の福永にとっても力の入る一戦だ。「何といっても角居先生、最後のG1やからね」。同厩舎でのJRA重賞は
エピファネイアの13年
菊花賞など9勝を挙げている。
「一番の思い出は
シーザリオの(05年)アメリカン
オークス。鮮明に覚えている。素晴らしい調教師なのは結果が物語っているけど、それ以上に素晴らしいホースマン。この世界から退かれるのは非常に残念だけど、尊敬する先生の最後のG1に乗ることができるのは光栄ですね」とかみしめた。
これまでJRA・G1歴代2位の26勝を挙げるトレーナーは「馬にとって最後の競馬になるわけじゃないですから。けがのないように、無事に。次の厩舎で頑張れるように渡せたらいいな、というのが一番です。人間の都合は馬にとって関係ない。藤沢和先生からそう教わったので、最後まで教えの通りに、と思っています」とあくまで自然体。残りわずかの調教師生活だが、最後まで信条とする“馬優先”を貫く。
提供:デイリースポーツ