「
フェブラリーS・G1」(21日、東京)
新たな砂王の誕生だ。メンバー唯一の4歳馬
カフェファラオが、1番人気に応える完勝劇を披露。
アメリカンファラオ産駒としても初のJRA・G1制覇となった。鞍上は2020年の
モズアスコットに続く連覇を達成。21年も競馬界はルメールを中心に回っていきそうだ。直線で猛追した9番人気
エアスピネルが2着。3着には8番人気
ワンダーリーデルが入った。
アメリカンファラオ産駒の怪物が、如月の府中で真の強さを発揮した。1番人気
カフェファラオが好位から抜け出し完勝。2020年(
モズアスコット)に続く自身連覇&7年連続のJRA・G1制覇を決めたルメールは「彼のポテンシャルはとても高い。状態さえ良ければG1馬になれると思っていた。きょうは勝てて良かった」と破顔一笑だ。
陣営の勝負手がピタリとはまった。近走の行きっぷりが悪い面を矯正するため、今回はチークピーシーズを初装着。「チークを着けていたし、きょうはアグレッシブな競馬をしたかった」と鞍上。向正面で外から押し込められる場面もあったが、手応え十分に直線を迎えると、残り250メートル付近で打たれた右ステッキを合図に先頭へ。迫る後続の追い上げも気にならない。最後まで加速し続け、先頭でゴールを駆け抜けた。
3度目のG1挑戦で待望の初勝利。堀師は「うれしかったというよりも“やれやれ”という気持ち。道中はしっくり来なかったが、最後の走りは一番良かった」と胸をなで下ろす。戦前の作戦について、「私の中で考えていることはあったが、あえて伝えなかった。馬の状態と馬具だけ伝えて、あとは“終わった後に教えてほしい”とだけ言いました」と名手に全てを託した。そしてゲートが開いた瞬間、押して3番手の位置を確保。「私が考えていたのも、その方法でした」と笑みを浮かべた。
今後は未定だが、指揮官は「まだ隠しているものがたくさんある。これからいろんなことに挑戦していきたい」と意気込んだ。無限の可能性がある若き4歳ダート王なら、新たな時代を築けるに違いない。
提供:デイリースポーツ