4番の
モズスーパーフレアが好スタートからハナに立った。ゲートからの10完歩ほどで1馬身以上抜け出し、単騎で快調に飛ばす。
セイウンコウセイ、
ラウダシオン、
ダノンファンタジー、
レッドアンシェルらがつづく。
1番人気に支持された
レシステンシアは、これら2番手集団から少し遅れた外につけている。
川田将雅が乗る2番人気の
ダノンスマッシュは、
レシステンシアの直後の馬群のなかを進んでいる。
「雨が大きなポイントになるところだったので、あえて何も考えず、馬の走りたいように走らせました。並び的にも結果としてちょうどよくなりましたし、目の前に
レシステンシアがいて、いいリズムで道中運ぶことができました」と川田。
モズスーパーフレアが先頭のまま直線へ。
後続が大きく横にひろがって叩き合う。
ラスト200mを切っても、まだ
モズスーパーフレアが1馬身ほどのリードを保っている。
外から
レシステンシアが差を詰める。
セイウンコウセイも簡単には下がらない。これらの間を割って、
ダノンスマッシュが猛然と末脚を伸ばす。
内では
インディチャンプが
モズスーパーフレアに並びかけ、そしてかわした。
馬場の真ん中から抜け出しをはかる
ダノンスマッシュと、外の
レシステンシアが馬体を併せて叩き合う。
ゴールまで5完歩ほどのところで、外の
ダノンスマッシュと
レシステンシアの2頭が、内の
インディチャンプより前に出た。
勝負は外の2頭に絞られた。激しい叩き合いのすえ、
ダノンスマッシュが
レシステンシアよりクビ差だけ前に出てフィニッシュ。昨年の
香港スプリントにつづくGI連勝で、父
ロードカナロアとの父子制覇を果たした。
「4コーナーでの手応えは抜群によかったです。直線、道ができてから
レシステンシアと長く競り合う形になりましたが、最後まで意地を見せてくれて、勝ち切ってくれて何よりです。昨年申し訳ないこと(
高松宮記念10着)になっていましたので、国内のGIを獲ることができ、結果が出たことをありがたく思います」
そう話した川田は、ラスト200m付近で、前の
レシステンシアと
セイウンコウセイの間があくのを冷静に待ち、スペースができるや、瞬時に馬を反応させた。見事な手綱さばきで、2018年
ファインニードルに次ぐ、自身の
高松宮記念2勝目を挙げた。
(文:島田明宏)