「
高松宮記念・G1」(28日、中京)
春のス
プリント王に輝いたのは、2番人気の
ダノンスマッシュ。ゴール前の競り合いを制し、8度目の挑戦で悲願のJRA・G1初戴冠を果たした。父
ロードカナロアとの父子制覇を成し遂げた6歳馬が、今後もス
プリント界をグイグイけん引していく。首差の2着には1番人気の
レシステンシア、3着には3番人気の
インディチャンプが入った。
暮れの香港で手に入れた勲章が、馬に自信を与えたのだろう。2020年10着大敗の原因だったはずの渋った馬場をものともせず、
ダノンスマッシュが馬群の中からしぶとく伸びる。最後は
レシステンシアとの追い比べをインから首差でしのぎ、
香港スプリントからのぶっつけでG1連勝を決めた。
父
ロードカナロアとの父子制覇。父も管理していた安田隆師は、心なしか涙ぐんでいるように見えた。「本当にうれしさに満ちあふれています。馬場が最悪で、大丈夫かと。不安の方が大きかった。ここにきて素晴らしく強くなったと改めて認識しました」。
高松宮記念3勝は調教師として単独最多。
カレンチャンで制した12年も、
ロードカナロアで制した13年も、ホッとした気持ちが先に立っていたが、この日は対照的に「うれしい」を連発した。
弟子の川田とのG1制覇は20年末
ホープフルSに続く2回目。それがまな弟子の重賞100勝目の区切りになったというのも“親心”をくすぐったに違いない。川田も「師匠の管理馬で、お世話になっているダ
ノックスの馬で、そしてG1で、この区切りを迎えられたのを、とても感慨深く思います。
ロードカナロアは先生が管理されていた素晴らしい馬。その息子でのG1連勝。素晴らしいス
プリンターを出してきた厩舎の中でも、特別の意味があると思います」と、師匠の感激に思いをはせた。
既に
チェアマンズスプリントプライズ・G1(4月25日・香港シャティン)の招待を受諾しており、「状態を見ながら。良ければ行って、疲れがひどいようならリフレッシュさせることになる」と指揮官は今後の見通しを語った。まだ快進撃は始まったばかり。偉大な父の背中を追う旅路が続く。
提供:デイリースポーツ