グランアレグリアVS
コントレイルの「2強対決」で支配的な第65回
大阪杯(4日=阪神芝内2000メートル)。第3の馬を探すのはかなり勇気がいる行為だが、新VU作戦の明石尚典記者は◎
レイパパレで勝負。小柄ながら、5戦5勝と底知れない魅力を秘める4歳牝馬に2強打倒の夢を託す。
先週土曜の2勝クラス・天神橋特別が8ハロン=1分32秒4の高速決着。メインのGIII
毎日杯では
JRAレコードに並ぶ9ハロン=1分43秒9の超速コースレコードが飛び出した。連続開催の弊害を危惧する声が大きかった今開催の阪神だが、馬場レベルは前開催よりもむしろアップした印象。
現時点でレース当日の馬場状態を見通すすべがないとはいえ、良なら10ハロン=1分57秒2のコースレコード、稍重でも1分58秒2のレースレコード(GI昇格の近4年)に近い時計での攻防が濃厚とみる。時計のハードルが上がれば、逆に波乱=伏兵台頭の余地がグッと下がるのは必然。少なくとも、特大ホームラン狙いの大振りは禁物のレースであることだけは確かだ。
最も注目を集めるのは昨年の
JRA賞を受賞した2強(
グランアレグリア&
コントレイル)の初対決。確かに、実績で他馬のはるか上に位置するこの2頭の牙城を崩すのは簡単ではない。ただ、その難易度の高さを承知のうえで狙ってみたい馬が一頭。それが
レイパパレだ。
デビューから無傷の5連勝と勢いでは2強に負けず劣らず。2走前の
大原SのVタイム=1分46秒3が、直後のGI
秋華賞の9ハロン通過(1分48秒5)に完勝なら、ポテンシャルの高さも間違いない。GI級の評価でOKだろう。
自身上がり34秒割れは新潟外回りでのわずか1回。現役トップクラスと相対するには瞬発力不足の指摘もあろうが、1勝クラスからGIIIチャレンジCまでのV4が後半5ハロン57から58秒台。ラスト5↓4ハロン目の23秒台から、続く3↓2ハロン目で22秒1から23秒0へ急激にペースアップしているのは見逃せないポイントだ。それでいて、ラスト1ハロンは直線坂の阪神も含めて11秒3から12秒1。
爆発的な瞬発力には欠けるものの、
ディープインパクト産駒にしては希有な長くいい脚を使うタイプ。V5の後半ラップからは、そんな
レイパパレのキャラがくっきりと浮かび上がってくる。
多少の渋化を見込んで10ハロン=1分58秒5を想定Vタイムとすれば、平均的な5ハロン通過60秒0でも後半5ハロンは58秒5。一介のGIIIウイナーにとっては敷居の高いハイレ
ベルラップだが、
レイパパレにとってはすでにマイラップの範ちゅう。となれば、23秒台↓23秒0以内↓12秒0以内のラップ
バランス再現もさほど難しくはない。
これほどのスピード持続力の持ち主が先に抜け出す展開なら、爆発的な瞬発力を誇る2強といえども手を焼くこと間違いなし。そのまま捕らえ切れず…のシーンも決してあり得ないとは言い切れない。
(明石尚典)
東京スポーツ