門別1200mというコースは、馬場状態によって走る馬の適性を厳しく選別する。特に乾いた馬場では、短距離戦で絶対的な武器であるはずのスピードは諸刃の剣となる。良馬場で行なわれた昨年、群を抜いたスピードの持ち主である
マテラスカイが既の所で
メイショウアイアンに捕まったのも、馬場の影響によるところが大きい。
今週は不安定な天候が続く予報で、馬場の予測が難しいものの、完全に乾くことはなかろう。多くの馬にとって実力を発揮しやすいコンディションでレースが行なわれそうだ。
今年は
リュウノユキナの凱旋勝利に注目である。門別でのデビュー当時から、難しい気性ゆえに力を出しきれないレースが多かったのだが、中央のレースで揉まれて、ようやくレースに対する真面目さが出たようだ。目下の3連勝は、もともとの潜在能力を考えれば想定の範囲内である。
昨年のようにタフな良馬場が見込まれるなら疑う余地もあるが、予想される馬場状態なら問題はない。当舞台の1番枠は出負けしやすい鬼門の枠順なのだが、大きくロスさえしなければ、同じく1番枠だった2走前のような立ち回りで勝機が掴めるだろう。実力は頭一つ抜けた存在だ。
対抗格には地元の
イダペガサスを推す。前走は
アザワクの落馬によって想定外の特殊な緩ペースになっており、このレースは参考外でいい。着目すべきは遠征で臨んだ昨年末の
カペラS。この内容から、中央のオープン特別で勝ち負けできるレベルの地力が窺い知れる。地の利を加味すれば、ユキナ以外の中央勢と比較しても優位に立てると言えよう。ス
プリント路線に切り替えて日は浅いが、それゆえに伸びしろは大きい。
以下は甲乙つけがたい。地元勢は、強気の逃げに出れば前走以上にやれるはずの
アザワクや、道営ス
プリント同様の決め打ちに出れば面白い
ジャスパーシャイン、昨年覇者の11歳
メイショウアイアンなど個性派揃い。中央勢では、広い門別コースが合いそうな
スマートアルタイルを上位に取りたい。
(文:競馬ブック・板垣祐介)