「
皐月賞・G1」(18日、中山)
牡馬クラシック第1弾。昨年は
コントレイルという断然の主役がいたが、今年はV候補の実力が接近しており、混戦ムードが漂う。
月曜早朝。厩舎前で取材に応じた安田隆師は、ある一枚の写真を眺めながら優しい笑みを浮かべた。「あれからもう30年ですか」。91年の第51回
皐月賞。騎手時代、1番人気の支持を受けた
トウカイテイオーとコンビを組み“無敗制覇”を果たした。
その後、調教師に転身。30年の時を経て、待望のクラシック候補が現れた。その名は
ダノンザキッド。昨年は新馬→
東スポ杯2歳S→
ホープフルSと3連勝を決め、
JRA賞最優秀2歳牡馬を受賞。今季初戦の
弥生賞ディープインパクト記念こそ3着に敗れたが、指揮官は「あれが本番ではなくて良かった」と敗戦にも前を向く。
その真意はこうだ。「元来が叩き良化型。ぶっつけで臨んで、ああなるのは怖かった」。スローペースになり、猛追及ばず3着に敗れたが、あの敗戦は言わば織り込み済み。負けたことで「修正点が見えてきました。この中間、その課題をクリアしてくれています」と巻き返しへの手応えをつかんでいる。
一度実戦を叩いたことで、期待通りに状態はアップ。1週前には栗東CWで併せ馬を行い、6F80秒3-36秒8-11秒7の好時計をマークした。「跳びが大きいので見た目にはスピードを感じませんが、いい時計が出ましたからね。順調に来ています」。反撃の準備は着々と進んでいる。
“騎手&調教師”双方で
皐月賞を勝てば、保田隆芳氏以来、史上2人目の快挙となる。信頼を寄せる川田との“師弟タッグ”で記録達成に挑む。
提供:デイリースポーツ