特に「混戦模様」との評判を耳にすることが多い今年の
皐月賞。そんな3歳牡馬クラシック一冠目をどのように捉えて臨めばいいのか。馬場・枠・展開を軸とする予想家・TARO氏に見解を伺った。
◆小回りへの適性の高さは証明済み
昨年は
コントレイルが制し、無敗3冠の幕開けを飾ったレース。もっとも、今年は大混戦模様。波乱の可能性もある一戦でしょう。なによりレースを難しくさせるのが、今流行りの“直行ローテ”。先週の
桜花賞では阪神JFから直行した2頭が1〜2着、3着には
フェアリーS以来の
ファインルージュが入り、正規の
トライアルである
チューリップ賞、
フィリーズレビュー、
アネモネS組は馬券に絡むことすらできませんでした。もはや“
トライアル
スキップ”が当たり前となり、それだけ各馬の比較検討が難しくなっている印象です。
ならば、いっそのこと各馬の能力比較より別のアプローチで臨んでみるのも良いかもしれません。
皐月賞は牡牝クラシックレースの中で唯一の小回り戦。だからこそ、展開や馬場といった、馬の能力以外の要素が重要になります。
「どの馬が一番強いのか?」ではなく、「どの馬が一番向くのか?」を考えることで、配当妙味のある穴馬が見えて来るのではないでしょうか?
実際、近年人気薄で馬券に絡んだ馬を振り返ってみても、必ずしもGI級とはいえない馬がたくさんいます。
ダンビュライト、
サンリヴァル、
ジェネラーレウーノ、
ガロアクリーク…こういった馬たちは、その後の戦績を見ても
皐月賞以後のGIレースでは活躍できていません。共通するのは小回り適性の高さと立ち回りの上手さ。これらの要素が能力の穴を埋めてくれそうです。
今年面白そうなのは、
アサマノイタズラ。
スプリングSでは
ヴィクティファルスの末脚に屈しましたが、早め先頭で見せ場十分の内容。未勝利勝ちは今回と同じ中山芝2000mで、小回りへの適性の高さは証明済みです。
大穴で
ワールドリバイバルはいかがでしょうか。
スプリングSでは荒れたインを逃げて6着とまずまず粘っていました。2走前には小倉芝2000mが舞台の
あすなろ賞を制しています。3年前の
皐月賞馬
エポカドーロも
あすなろ賞を制しており、こちらも小回り2000mの適性は高そうです。
確たる主役不在の一戦だからこそ、思い切って伏兵を狙ってみるのもアリかもしれません。
(文:TARO)