「
皐月賞・G1」(18日、中山)
2021年も無敗の
皐月賞馬が誕生した。2番人気の
エフフォーリアが、直線で鮮やかに抜け出して完勝。待望のG1初制覇を決めた横山武(22歳3カ月28日)は、99年の和田竜(21歳9カ月27日)に次ぐ史上2番目の若さで
皐月賞を制した。2着に8番人気の
タイトルホルダーが入り、24年ぶりに関東馬のワンツー。3着は6番人気の
ステラヴェローチェ。1番人気の
ダノンザキッドは15着に終わった。
「やったぁ、最高です!」-。真っ青に広がった空へ、横山武が喜びを爆発させた。G1を勝つ父・典弘の姿に憧れて騎手を志した22歳が、ついに夢をかなえてみせた。
道中は好位3番手で
ダノンザキッドと併走。4コーナー手前でラ
イバルが早々と後退するが、対照的に抜群の手応えで直線へ向かった。「少し迷いはあったけど、スムーズに行けると思って」とインを選択。先行した2頭の間をすり抜けると、後続を一瞬にして置き去りにする。きれいに広がった
ビクトリーロードを楽しむかのように3馬身差の完勝。左手の人さし指を突き出す、派手な
ガッツポーズで締めくくった。
プレッシャーに眠れない日々を送った姿はもうなかった。今週の木曜のことだ。「(父に)“緊張するか”と聞かれて、“する”と言ったら“一つ一つ丁寧にやれよ”と言われました」。何度も大舞台を経験してきた父からのさり気ないアド
バイス。大一番に臨む直前、腹は決まった。20年末に吉田隼と関東リーディングを争い、史上最年少で関東トップを獲得。精神面でもひと回り成長した。「自信になりました。昨晩はよく眠れました」と笑顔をのぞかせる。
次は競馬の祭典・ダービー(5月30日・東京)で2冠を狙う。08年
ジャパンC(
スクリーンヒーロー)以来、2つ目のG1制覇となった鹿戸師は「きょうは一生懸命走ったので、疲れを十分取って臨みたい」と決意も新た。鞍上も「広いコースが合うし、とにかく能力のある馬。もう一つ上の舞台でも、いい結果を出したい」とキッパリ。もう、この勢いは止まらない。新たな競馬史の1ページをつくっていく。
提供:デイリースポーツ