安田記念、あるいは
ヴィクトリアマイルへと向かう馬たちにとって重要な
ステップレースで、優勝馬には
安田記念の優先出走権が付与される。別定重量のGII戦だけに強い馬、実力馬に有利な舞台設定であることに違いはないが、例年であれば京都への開催変わりの開幕週に行われるためにスピード優先の馬場だが、今年は阪神開催の連続22週目。先々週の
桜花賞で1分31秒台のレコードが出ているように極端な痛みはないようだが、それでも例年通りというわけにはいかないだろう。
◎
エアスピネルはマイル重賞3勝。ほか朝日杯フューチュリティS2着、
マイルCS2着、ダートの
フェブラリーS2着とマイル実績が高い。長期休養明けとなった昨年夏からダート路線へと変更し、5戦して2着2回3着1回。ダート適性の高さも示しているが、3度の好走はマイル以下の距離で、いずれも芝スタートのコースだった点も見逃せない。8歳になったとはいえ、前走は出走メンバー最速上がりを記録しての2着。芝のマイル戦で掲示板を外したのは、終始外を回らされた5歳時の
マイルCSのみで、そのときも最後の直線ではあわやのシーンを作って勝ち馬からはコンマ4秒差だった。そうした実績を評価したい。
〇
ケイデンスコールは年明けの
京都金杯優勝馬。
新潟2歳Sに勝ち、3歳時には
NHKマイルC2着の実績もある。以降、長いスランプに悩まされていたが、ここ2戦をみると、ようやく長いトンネルを脱出したようだ。前走の
中山記念は、それまで実績がなかったコーナーを4回まわる条件だったが、インでロスなく立ち回りクビ差2着と健闘。かつての追込み一手のイメージを払拭し、現在は充実期に入っているのかもしれない。その前走で、最後力尽きたのは、やはり距離か。得意とするマイル戦で見直したい。
▲
ボンセルヴィーソはいまだ重賞タイトルには恵まれていないもののマイル重賞2着2回3着6回。先行力と粘り強さが武器で、ハナを切ることもできるし、好位で競馬をすることもできる。今の荒れた馬場状態は味方にできるはず。先週の
ホウオウアマゾン、先々週の
ソダシのように早めに押し切るような競馬ができればチャンスも出てくるだろう。
3連勝で重賞初挑戦の△
エアロロノアは、過去3戦いずれも僅差の勝利だが、それがかえって強さを感じさせる。いずれは大きなタイトルを取れる馬だと思うが、今回は試金石になりそうだ。長期休養明けにもかかわらず、32秒台の末脚を繰り出してマイル適性を示した△
アルジャンナは重賞2着2回の実力馬。昨年春に、無敗のままマイル重賞を制した△
ルフトシュトロームもまだ見限れないところだ。