58kgと57.5kgというハンデを背負っても、馬連複で1.7倍と人気を集めたこの路線の実績馬2頭が、そのハンデ以上の強さを見せた。
それにしても行く気を見せたときの
ラプタスのスタートダッシュは速い。今回は内目の4番枠ということもあって包まれたくなかったのだろう。外から
スマートセラヴィーや
テイエムサウスダンに来られる前に押して行って、1コーナーまでにハナをとりきった。
ただ
テイエムサウスダンも負けず劣らず速い。前走
黒船賞でもそうだったが、今回も軽く促しただけで差のない位置の外目を楽に追走した。
向正面に入ると2頭の間にいた
スマートセラヴィーが後退。
テイエムサウスダンがいつとらえにかかるかと見ていたが、
ラプタスは1馬身よりは差を詰めさせず、逆に4コーナー手前から差を広げ、3馬身差をつけて逃げ切った。
前半800m/後半600mでタイムを分割すると、47.2/38.0で、勝ちタイムは1分25秒2。ちなみに昨年も
ラプタスの逃げ切りで、48.2/37.1で勝ちタイムは同じ1分25秒3。勝ちタイムはコンマ1秒しか変わらないが、今回は有力2頭が前で互いを意識し合ったぶん、前掛かりのやや速いペースになって、そのぶん上がりがかかった。
その2頭を追走する好位勢には厳しいペースとなり、2頭の強さが一層際立つことになった。内をうまく立ち回った
ベルダーイメルが
テイエムサウスダンに1馬身差で3着に食い下がったが、3着以下はハンデ差を考えると着差以上に能力差があった。
今回は
ラプタスが内枠だったためハナをとってそのまま
テイエムサウスダンを振り切ったが、果たして枠順が逆だったらどうだっただろう。あのスピードなら
テイエムサウスダンのほうが主導権をとっていたかもしれない。
地方のコーナー4つの1400m戦では、いまこの2頭が強い。今年JBCの舞台は
金沢競馬場で、ス
プリントはこの条件。2頭には大きな目標になるのではないか。
3着
ベルダーイメルから6馬身離されたものの、兵庫の
ナリタミニスターが4着に食い込んだ。前の厳しいペースにはついていかず、2コーナーを回るところではまだ6番手。3、4コーナーではラチ沿いの経済コースを通って前との差を詰めてきた。昨年末の
兵庫ゴールドトロフィーでも4着があり、相手関係や展開ひとつでさらに上の着順も望めそうだ。