5日(祝・水)、小雨・稍重馬場の
船橋競馬場で行われたダート
グレード競走の第33回
かしわ記念(JpnI・1600m)は、道中先団を追走した地元船橋の2番人気
カジノフォンテンが4コーナーで先頭に立つ競馬で最後まで押し切り、今年の
川崎記念に続いて2つ目の交流JpnIタイトルを獲得した。勝ちタイムは1分39秒3。
中団から差してきた6番人気
ソリストサンダー(
JRA)がハナ差で2着、さらに1馬身1/2差の3着に4番人気
インティ(
JRA)が追い込んだ。4着には
ワイドファラオ(
JRA)が入り、前走
フェブラリーステークスを勝って1番人気に支持された
カフェファラオ(
JRA)は5着だった。
勝った
カジノフォンテンは父
カジノドライヴ、
母ジーナフォンテン(
その父ベストタイアップ)という血統の5歳牡馬で、船橋・
山下貴之調教師の管理馬。通算成績は21戦12勝。地方所属馬による
かしわ記念制覇は2011年、同じく船橋所属だった
フリオーソ以来で10年ぶりとなった。
1着
カジノフォンテン(
張田昂騎手)
「本当に嬉しい、それだけです。今日はこの前より状態も良かったです。ちょっと道中かかり気味になってしまいましたが、久しぶりにこんな手応えで来たと思いました。(直線追い出してからは)正直あの辺りはよく覚えていません。
(ゴールした瞬間は)いつもなら、あの差だったら分かるのでしょうが、直線は馬を信じてガム
シャラに追っていたのでよく覚えていないです。(馬にかける言葉は)本当にありがとう、しかありません。本当は今日皆さんの前で競馬ができたら良いなと思っていましたが、こんな中でも競馬をさせて頂けるだけで、感謝の気持ちで一杯です。この馬とこれからもずっと上を目指していくので、応援宜しくお願いします。
そしてもう一つ、ここまで来られたのは色々なファンの皆さまや、陣営の力があってこそなのですが、一皮も二皮もむかせて貰ったのは厩務員さんのおかげだと思っています。これからも応援宜しくお願いします」
(
山下貴之調教師)
「嬉しいです。もうやる事はやったので、馬と張田騎手を信じていました。距離や相手に関して色々言われていましたが、言いたい人には言わせておけばいいと思っていました。
ポジションも良い所を取れましたし、思った通りの展開になってくれたので、あとは見守るだけでした。ゴールの瞬間は何も考えられませんでした。(10年ぶりの地元馬制覇については)勿論川島正行調教師や
佐藤賢二調教師がいて、そういった方々が亡くなって、その後も船橋から全国レベルの強い馬を出そうと全員頑張っていますので、その結果が出てくれたんじゃないかと思います。
この後当面の目標は
帝王賞で、もう一度
オメガパフュームや他の強い馬たちと対決したいと思っています。これからも負けたくない、今年負け無しというのが目標です。
カジノフォンテンが一番強いことを証明出来て本当に嬉しいです。このような(コ
ロナ禍の)状況が収まったら、船橋には強い馬が沢山いますので、ぜひ
船橋競馬場へ足を運んで頂ければと思います」
2着
ソリストサンダー(
戸崎圭太騎手)
「久しぶりに乗りましたが、良い感じに成長していました。レースでは、向正面で内と外から挟まれリズムを崩すシーンもありましたが、我慢してくれました。手応えも良く、反応も早くてしっかりと伸びてきてくれましたが、惜しかったです」
3着
インティ(
武豊騎手)
「スタートで出遅れてもったいなかったです。元々、行く気はなかったのですが、ポツンと追走して、後ろから運んで折り合いがつきました。こういう競馬が出来たことは収穫でした」
4着
ワイドファラオ(
福永祐一騎手)
「スタートでつまづいて行き脚はつきませんでしたが、内に入れたら手応えが良くなりました。コーナーワークがとても上手な馬です。今日は4着に踏ん張ってくれましたし、復調の兆しを見せてくれました」
5着
カフェファラオ(
クリストフ・ルメール騎手)
「深い砂で、スタートからあまり進みませんでした。1、2コーナーでいい位置をとれましたが、3コーナー手前で忙しくなってしまいました。きついコーナーも、あまり合いません」
(取材:中野雷太、小屋敷彰吾)
ラジオNIKKEI