春のGIシリーズはいよいよ5週連続の東京競馬場ステージへ突入! まずは3歳の芝マイル戦GI『
NHKマイルC』(東京・芝1600m)が今週スタートする。3歳トップクラス勢は、ここまで牡馬&牝馬それぞれ別路線を歩みがち。この舞台でついに牡牝混合のマイル頂点が決定されることになるわけだ。
とはいえご存じの通り、この『
NHKマイルC』はとにかく荒れる一戦としても有名。過去10年だけをデータ例としても、馬連でも万馬券が10回中4回。3連複でも10回中8回は万馬券。3連単となれば、10回中7回10万円超が発生している。
たとえば昨年、2着が1番人気
レシステンシアだったが1着に9番人気の
ラウダシオン。一昨年は2番人気
アドマイヤマーズが1着でも2着が14番人気の
ケイデンスコール。というように、馬連にしても「人気&人気薄」の組み合わせが多いレースということができる。
人気馬同士でもダメ、人気薄同士でもダメ…。馬券の組み合わせ戦略を立てて臨まなければ、簡単に返り討ちにあってしまうレースなのである。
特に今年のメンバーはレベル拮抗状態。それでもどれかが人気上位馬になるわけで、逆に能力があっても人気下位になってしまう馬もいるということ。人気薄だからといって期待値が低いというわけでもないのだ。
現在1番人気になりそうなのはGI『
朝日杯FS』(阪神・芝1600m)1着馬
グレナディアガーズ(川田)。そこを中心に『
弥生賞』2着
シュネルマイスター(ルメール)、『NZトロフィー』1着
バスラットレオン(藤岡佑)、『
シンザン記念』1着
ピクシーナイト(福永)、『
アーリントンC』1着
ホウオウアマゾン(
武豊)、『
ファルコンS』1着
ルークズネスト(幸)などが参戦。ほかにも各重賞2〜3着馬が参戦。これだけのメンバーを見てもオッズは混迷を極めそうではないか。
◆狙い目は前走重賞の惜敗&人気薄の馬たち?
それではレースと馬券の傾向を見ていこう。
『
NHKマイルC』は荒れる傾向にありながら、1〜3番人気が揃って馬券圏内を外すことも少ない。過去10年で揃って圏内をハズしたのはわずか1回だけだ。直近5年の傾向としては、1番人気か2番人気のどちらかが連対していた。しかし相手は人気薄になりやすい。さらに2桁人気馬が2・3着に食い込んで、配当を跳ね上げることもある。
過去5年で、6番人気以下で馬券圏内になっている馬は9頭。昨年1着
ラウダシオン(9番人気)は前走『
ファルコンS』1番人気で2着だった馬。3着の
ギルデッドミラー(6番人気)は前走『
アーリントンC』2着馬。一昨年の2着
ケイデンスコール(14番人気)は前走『
毎日杯』4着。3着
カテドラル(7番人気)も前走『
アーリントンC』2着馬。3年前に1着の
ケイアイノーテック(6番人気)は前走『NZトロフィー』2着。3着
レッドヴェイロン(9番人気)は前走『
アーリントンC』3着馬である。
というように、前走重賞で惜しくも勝ちきれない惜敗だった馬たちが「人気薄の激走馬」として台頭していることが見えてくる。前走重賞で勝っている馬は人気になるけど、惜敗している馬の人気薄のほうが狙い目なのだ。
今年でいえば、前走『
アーリントンC』2着
リッケンバッカー&3着
レイモンドバローズ&4着
ピクシーナイト。前走『NZトロフィー』2着
タイムトゥヘヴン&3着
シティレインボー、さらにGI『
桜花賞』15着敗退の
ソングラインなど…。いかにも人気の盲点となりそうな馬たちに妙味を感じる。
タイム指数からの傾向としては、軸馬は「平均値上位+前走値105以上」が基準。今年当てはまる馬は数頭いる。なかでも距離値で112という2頭。
ホウオウアマゾンと
グレナディアガーズは上位候補になりそうだ。個人的にはそこと人気薄をどう絡めていくかが、今年の馬券テーマになると思う。「堅く決まったときは仕方ない」とあきらめるくらいの馬券で勝負してみたい。
(netkeiba・大石川大二郎)