信じられないフィナーレだった。15日の
京都ハイJをマーニで制した三津谷隼人(24)=栗東・川村。騎手が引退レースで重賞初勝利を飾るのは、史上初の快挙だった。
「会心でした。びっくりするほど作戦通り」。デビュー7年目で迎えたラス
トライドを振り返る。「レース後の地下馬道で難波さんに“自分が手を掛けた馬で勝って、やめられないだろ?”と声を掛けられて…。ギャン泣きです。あれから毎日、レースビデオを見ています。6月に子供が生まれるので、おめでたいこと尽くしです」と照れ笑いを浮かべた。
引退を決断したのは1年前だった。「レース後、ぜんそくの発作がひどくて。それに、お世話になった鮫島厩舎で調教して、楽しさを感じるようになった。父(直樹助手=安田隆厩舎)に伝えた時はさみしそうでしたけどね。父は翌日の中京3Rを勝って“いい流れをもらった”と笑っていましたよ」と感慨深げだ。
21日からは川村厩舎で助手として腕を振るう。「ジョッキーに“乗りやすい馬”と言ってもらえるのが、やりがいになると思う」。最高の馬づくりを目指し、ホースマンとしての第2章がスタートする。(デイリースポーツ・井上達也)
提供:デイリースポーツ